ジェイアール東日本企画(jeki)はプロモーションの企画設計から制作・実施運営まで一貫して、知見・経験の豊かな社員が細部にまでこだわり抜き、効果の最大化を目指してきた。本連載では、効率化を追求する広告会社が多い一方で、jekiが実現している丁寧で精度の高い「jekiプロモーション品質」を伝えていく。
ショートムービー・CMの一部。「日本人と友達になろう」というコンセプトのもと、台湾人制作チームがクリエイティブを担当した。
台湾の人々のインサイトをつかんだ映像
2015年に台湾から日本を訪れた人の数は、10月までで約310万人を記録。2012年は約145万人となっており、倍以上の伸びを見せている。この勢いを伸ばすべく、日本政府観光局(JNTO)は2015年春より、jekiが制作を担ったプロモーションの展開をスタートした。具体的には、台湾のテレビCMやYouTubeで放映するショートムービー、ウェブ・SNS広告、OOHなどである。第一弾として日本の中国地方を、その後四国、東北地方を舞台にしたテレビCMが流れている。
ディレクションを担ったのは、jekiソーシャルビジネス開発局 担当局長の鈴木尊喜氏。8年間、創造旅行社(JAL PAK台湾)の社長として訪日旅行ビジネスに携わっていた経験があり、台湾に対する深い知見と、強固なつながりを持っている。
「表層的なデータから見ると、台湾の人々は観光やショッピングを求めて日本に来ているように見えます。けれども、それは本質的なインサイト(消費者の本音)ではありません。何を見た、何を買った、何を食べたということよりも、日本人やその文化・マナーと触れ合いたいという気持ちを、台湾の人々は強く持っています」。
こうした知見から生まれたのが「日本人と友達になろう」というコンセプトだ。鈴木氏は、自らが培ってきたパイプを駆使し、台湾トップクラスの「オール台湾人」制作チームに託し、必要最低限のディレクションは行ったものの、実制作の部分では口出しをしなかった。
「台湾人と日本人とでは面白がったり、心が動いたりするポイントが異なります。彼らに任せたほうが上手くいくという確信がありました」。
例えば、台湾の人には、日本人は上品でおとなしく真面目だと思われている。その日本人が、美味しい料理を前にはしゃいだり、おおげさなリアクションをとったりするだけで、日本人の面白い一面を知ることができたという新たな発見となる。そうした点を表現に盛り込んだ。
また、ナレーションは日本語に翻訳した時の正しさよりも「音(おん)」の良さを重視。「台湾の人々は、正確性よりも、その言葉を聞いた時の耳ざわりの良さを重視します。中には、音の良さを追求するために、言葉としてはそれほど意味がなくても配置されている文言もあります」と語るのは、西島氏。
映像制作以外にも、JNTOとの共同作業によって、デジタル施策の最適化を図るなど、きめ細やかな取り組みが奏功し、プロモーションの反応は上々である。
インバウンド事業に深い知見と豊かな経験を持つjekiの人材が、細部にまでこだわり抜くことで生み出された成果だった。
ジェイアール東日本企画
大学卒業後、日本航空(JAL)に入社し、2005年より台湾に赴任。創造旅行社の社長として訪日旅行ビジネスに8年間携わり、2013年に帰国。jekiへ入社し、現在に至る。 |
ジェイアール東日本企画
大手広告会社を経て2008年にjekiに入社し、営業部門に配属。2013年、ソーシャルビジネス開発局発足時に異動し、現在に至る。 |
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