若者が全力で生きる日常を描いたポカリスエットのCM「青が舞う」篇
目指したのは特別な出来事ではなく、“日常”を描くこと。物語的な起承転結や説明のつく仕掛けになるべく頼らずに、どこまで心を動かせるか。若い世代が全力で生きる姿そのものをいかに真っすぐ瑞々しく描けるか。シンプルな狙いだからこそ奥が深くて難しい。でも広告屋としてはこれ以上ないほど純粋で幸福なお題でした。
UP TO WORKS
♪~
NA(西島):私はダイワマンだ。
ダイワマンはダイワスーツに身を包み、
あなたの暮らしとあなたの未来を見守っている。
ダイワマンは戦わない。
ただひたすらあなたを守りつづける。
あなたのことがとても大切だから。
たとえ片思いだとしても、構わない。
私はいつでもダイワモービルで駆けつける。
片思いは私の使命であり、人生なのだから。
そんな私の想いは、重いですか?
今日も仕事を終えたダイワマンはもちろん
ダイワハウスへ帰るのだ。
執事:おかえりなさいませ。
西島:ただいま。
NA:ダイワマン
S:DAIWAMAN SEASON2
CI
S:ダイワハウス 西島邸
市原:本日から西島さんのお世話になる市原です。
S:脱サラ俳優 市原隼人
西島:君か、今度ウチの事務所に入った新人というのは。
S:俳優 西島秀俊
市原:はい、不動産会社で営業をやっておりましたが、
俳優の道がどうしても諦められず。
西島:それで社長が僕につけと…。
市原:西島さんの元で一から学んできなさい、と。
西島:社長も強引だからなあ。
君も迷惑だろ?
市原:とんでもないです!
あ…社長から西島さんにこれを渡すようにと。
新規の出演依頼だそうです。
西島:で、君も見たんだろ?
市原:申し訳ありません!
本当にもうチラっとだけ。
西島:構わんよ。で、君はどう思った?
市原:ちょっと面白いかと。
西島:そうか。じゃあ、やろう。
市原:え?まだ内容もご覧になっていないのに。
西島:僕はね、自分の中にある“西島”のイメージに縛られたくないんだ。
むしろ、“他人が見たいと思う西島”を演じるべきだとさえ思っている。
市原:これだ!俺が求めていたのはこれだ!
SE:(犬の遠吠え)
♪~
NA(西島):なんだこれは。
執事:ぼっちゃん、暑いですか?
S:執事 津田
西島:僕がダイワマン?
NA:ダイワマン!
S:DAIWAMAN SEASON2
START!
執事:それはまた大変なことで…。
NA(西島)+CI:ダイワハウス
この数年間はなんだか霧の中にいるようでした。強い表現は求められていないし、自分もやりたいと思えてこない。アイドリングで止まったままという感じ。2022年、大和ハウスの方から「そろそろまた強い企業CMを始めたい」というお話をいただきました。
「思いっきりやっていいのでしょうか?」と尋ねると、「やっちゃってください(笑)」と。その時、ようやく「あ、走り出していいんだ」と思えました。10年以上前のキャラクター“ダイワマンの復活”。ダイワマンの継承者は誰なのか?真っ先に名前が浮かんだのが西島秀俊さん。
そこでEpisode 1「登場」篇、Episode 2「継承者」篇を西島さんに当て書きして提案しました。このオファーに対する西島さんの第一声は、「僕がやることは役所広司さん、唐沢寿明さんに失礼にあたらないでしょうか?」でした。
本当にこういう謙虚な方なんだ、とますます好きになってしまいました。新生ダイワマンは、そのフォルムもスペックもバージョンアップされてしかるべき、しかもめちゃくちゃ格好良く。「登場」篇は井口弘一監督にお願いしました。「継承者」篇は高田雅博監督。制作チームはスケールデカく、センス良く、でもユーモアを忘れない、その感じを共有してくれるスタッフです。見た人に楽しんでもらえているとしたら、それは監督・スタッフの努力によるものです。
(TUGBOAT 多田琢)
https://www.youtube.com/watch?v=cKsu3YYZKSo
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