若者が全力で生きる日常を描いたポカリスエットのCM「青が舞う」篇
目指したのは特別な出来事ではなく、“日常”を描くこと。物語的な起承転結や説明のつく仕掛けになるべく頼らずに、どこまで心を動かせるか。若い世代が全力で生きる姿そのものをいかに真っすぐ瑞々しく描けるか。シンプルな狙いだからこそ奥が深くて難しい。でも広告屋としてはこれ以上ないほど純粋で幸福なお題でした。
UP TO WORKS
Good NeighborWood
森と人は、良き隣人になろう。
もっと高く、もっと速く。
何と競っていたのだろう。
世界が成長することは、二酸化炭素を出すことでした。
ここから変わる。
木から離れた人間は、もう一度木に戻る。
二酸化炭素を減らすには、木の力が本当に必要だから。
森と良き隣人になろう。
木の力と人の力で、互いに長く生きてみよう。
それは今あなたが思う幸せに、
案外近いのではないだろうか。
住友林業
NA(小日向):人間はずっと走ってきた。
もっと速く、もっと高くと、いったい何と競っていたんだろう。
板垣:おかえり。
小日向:あなたは?
板垣:ここの住人とでも言うのかな。
小日向:ここの?
板垣:人間はこれからも、二酸化炭素を出し続けたいのかと思ったよ。
小日向:参ったな。
S:森と人間は、こうして手をつないだ。
小日向:ありがとう。
NA(小日向):新しい道は、緑の匂いがした。
S:Good NeighborWood
森と人は、良き隣人になろう。
CI:住友林業
板垣:伐(き)ってるね。
小日向:なんか寂しいな。
板垣:はは。人間らしいね。でも違うよ。森はまたここから始まるんだ。
小日向:始まる?
板垣:そう。伐って、また植える。それは人にとっても、森にとっても悪くない。
S:森を知る。未来がはじまる。
板垣:ありがとう。
小日向:どういたしまして。
S:Good NeighborWood
森と人は、良き隣人になろう。
CI:住友林業
脱炭素のためには、排出削減努力や新技術の開発など以外にも、森と木の力が有効ですが、そのことを単に伝えても、既にたくさん“脱炭素”をメッセージしている広告があるなかで選択肢のひとつにすぎないと感じられ、埋もれてしまいます。
ですが森と木の力には、人間が幸せを感じて暮らすことができる、健やかな社会を目指すことができる、さらには生物多様性の実現まで、といった脱炭素のさらに先の未来像を語れる資格があると思いました。
そしてそれは他の選択肢では絶対にメッセージできないことなので、脱炭素に閉じない大きなメッセージ、「Good NeighborWood 森と人は、良き隣人になろう。」を考えるのに至りました。また、企業広告は、得てして企業側からの説明と自慢になってしまい、無視されてしまいがちなので、そうならないようあえて住友林業を主語にせず、森と人間の会話という形で定着し、一方通行ではなく、考えたくなり、議論を生むようなやりとりとすることを意識しています。
「共生」篇の舞台になっているのは、住友林業さんの自社林で、人工的に植えられた森です。人工林と聞くとあまりいいイメージを持たれない方も多いと思いますが、その大きな森では、綺麗な水も流れ、生物や植物がいきいきと暮らしていて、本当に力強く美しい森でした。
そこで、そういった手入れされた森の、生命力ある美しさが感覚的に伝わるように、ということも意識して制作しました。
(電通 クリエイティブディレクター 小野総一)
https://www.youtube.com/watch?v=_4FV63ACKmY
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