大王製紙は8月4日、大人用紙オムツのブランド「アテント」の40周年を機に、「介護の社会化」を目指すキャンペーンを開始した。テーマに掲げたのは「#常識をはきかえよう」。同日と8月22日に新聞広告を出稿したほか、草なぎ剛さん出演のテレビCMを放映している。
「かくさないパンツ」になるために場と空気を変えていく
今回のキャンペーンの背景にあるのは、少子高齢化が進む現実に反して、介護が日本社会でまだ「今の自分とは関係ない」と思われていることだ。
電通のクリエーティブディレクター 細川美和子さんは「オリエン時には、介護の現状やブランドの想いを丁寧にご説明いただきました。家族の単位が段々と小さくなり、頼れる人が少なくなっていること。だからこそ、家族の他にも気軽に頼っていいんだ、と思える空気や場所を社会につくりたいこと。そして紙オムツは介護に現在携わる人だけでなく、将来誰もがお世話になる可能性があるものです。だからこそ、隠すのではなく、みんなの話題にする、という目標を設定しました」と振り返る。
そこで8月4日の新聞広告でまず掲げたのは、「かくさないパンツになろう。」から始まるアテントのマニフェスト。「固定観念を変えるには、単発で話題になる広告だけではなくキャンペーン型で、想いを積み上げていく必要がある」(細川さん)と考え、続くテレビCMは13篇制作した。
そのテレビCMすべてが、「連続対話CM」と題される通り、草なぎ剛さんが語りかけるような内容だ。例えば「誰よりいちばん」篇では、「誰よりいちばん近くにいて誰よりいちばんいつも一緒で誰よりいちばん長く過ごして自分の人生に最後まで寄り添ってくれる存在って何だと思います?」と、問いかける。草なぎさんを起用したのは、「国民的な存在であり、ちょうど介護世代とまだ介護に直面していない世代とをつなぐ世代の方」(細川さん)であるため。事前に今回の背景やブランドの想いを草なぎさんに...