パルコが今年2月から展開する広告シリーズ「PARCO HEROES」。昨年までM/M(Paris)が手がけてきた表現から大幅にトーンを変えた、その新たな広告シリーズについて話を聞いた。
メモリアルな節目の年を越えて、新たな表現を
パルコは7月17日、2020年秋冬シーズンの広告を公開した。テーマは「PARCO HEROES」。2月に公開された春夏シーズンの広告との連作で、これで四季をモチーフにした架空の4人のヒーロー──春はPetra the Petal、夏はScoville、秋はGreen Fox、冬はThawと名付けられている──が出揃った。ポラロイド写真のコラージュのような構成のグラフィック、35mmフィルムで撮られた動画を用いたイメージムービー。どこかノスタルジックだけど新しい、2020年のパルコの広告は、雑誌『Dazed&Confused』のアートディレクターとして活躍するジェイミー・リードが手がけている。
「2019年は、新生渋谷PARCOの誕生、そしてパルコの50周年という節目の年でした。そんなメモリアルな19年の翌年には、今後を見据え、進化し続けるパルコに寄り添う新しい広告が必要だと思ったんです」と話すのは、13年から同社の広告宣伝を担うパルコ プロモーション部 業務課長 藤井浩人さんだ。14年秋冬シーズンからの4年間と、1年おいて19年の渋谷PARCOのオープニングまでの広告を手がけたのはM/M(Paris)。5年にわたる取り組みが昨年節目を迎え、新たな表現を模索していたという。
そこで新たに起用したのがジェイミー・リード。彼を中心にフォトグラファー フランク・ルボン、スタイリスト イブラヒム・カマラなど、新進気鋭のクリエイターが集まった。
「制作にあたって、アバンギャルド、ファッション性、アート、そしてカルチャーなどさまざまな言葉で表せる“パルコらしさ”を表現することは大前提でした。それに、ジェイミーがアートディレクターを務める雑誌『Dazed&Confused』は、創刊から一貫して新たな才能の発見や挑戦、クリエイターサポートの精神を持ち合わせている...