家でスマホの画面越しに孫と話す祖父、旅行カタログを読み旅に想いをはせる女の子。そして、Queen『Don’t Stop Me Now』が転調するのに合わせて、走り出すN700S。これは、東海旅客鉄道（以下、JR東海）の新テレビCM。新車両N700Sのデビューを知らせるキャンペーンがスタートした。
JR東海エリアの駅を中心に掲出されているポスター。
未来に想いをはせるきっかけに
7月1日、13年ぶりのフルモデルチェンジを迎えた新幹線、N700Sが運行を開始した。
“S”は“Supreme”（最高の）の頭文字。JR東海の最先端の技術を詰め込み完成した車両だ。そのお披露目に合わせて、OOH、テレビCM、Web動画、オリジナル商品が展開されている。リニューアルに伴っては、全席へのコンセント搭載、揺れの軽減など機能面の改良に加え、外観もさらに空気抵抗を軽減するデザインに変更された。
しかし、一見すると先代のN700Aからの変化が分かりにくい。そこで、JR東海の新車両がデビューしたことを、ユーザーの新幹線への想いを描くことで、“最高のコトが起きている”と感じてもらえるようにキャンペーンを設計した。しかし、コロナ禍により、ユーザーが思うように移動ができないという状況に。
「当初の目的であった車両のデビューを知ってもらうことはもちろんですが、未来に想いをはせるきっかけになるキャンペーンにしたいと考えました。外出自粛が要請され旅行が難しい状況の中でも、『また、新幹線に乗って出かけたいな』と、希望を抱いてほしい」（JR東海 東京広報室 安田吉孝さん）。それを分かりやすく可視化したのが、テレビCMだ。悶々としているシーンから始まり、Queenの楽曲『Don’t Stop Me Now』が転調し、駅員の指差喚呼に合わせて、新幹線が駆け抜ける。そして、視界も広がり、富士山と「その先の、笑顔へ。」というコピーが新幹線とともに明るい未来を描く。
テレビCM 2020年 N700S 7／1デビュー「その先の、笑顔へ。」篇。
時代が変わっても、JR東海の役割は変わらない
JR東海エリアの駅を中心に...
