「レディー・カガ」「うどん県」などここ数年、自治体が動画を活用する事例が目立つようになってきた。動画を使ったキャンペーンを展開する各自治体の狙いと効果は?高知県、福岡市、大分県の3つのケースを紹介する。
01 「高知家」Webサイト
02 「高知家の唄~ちゃぶ台と家族写真」
総勢430人が出演するプロモーションビデオ。高知県のキャラクター「カツオ人間」はPV制作時から自身のTwitterやFacebookでネタを投稿し続け、盛り上げをはかった。
メジャー感・活況感を意識
――高知県「高知家」
「高知県は、ひとつの大家族やき」。女優の広末涼子がにこやかに語りかける「高知家」キャンペーンは、高知県への移住促進活動の一環として2013年6月に開始した。第一弾は尾崎正直知事と「高知家」の“娘”として女優の広末涼子が共演する記者会見風の動画。続けて11月には「高知家の唄~ちゃぶ台と家族写真」と名づけられた約5分のキャンペーンソング、県民ら430人が次々と登場するにぎやかな動画と共にお披露目された。「高知家」キャンペーンの背景には、少子高齢化、過疎化などによる同県の人口減少問題がある。産業振興のために移住は重要な課題であり、同キャンペーンにより県産品のPR、観光誘致、最終的には年間500組の移住を目指す。
動画をキャンペーンの中心に据えた理由について「『高知家』は人の魅力を訴えるキャンペーンです。言葉やビジュアルだけでは伝わらない、“暑苦しい”くらいの高知の人たちのあたたかさを知ってもらうには、現地の人に出てもらうことが一番でした」と電通 CMプランナーの澤田智洋さんは言う。広く県外に訴えるため、キャンペーンは立ち上げ時からPRを一貫して重視。6月の記者会見風動画では「広末涼子が土佐弁を使う」意外性でメディアにアプローチし、11月のキャンペーンソングのPVでも、県民の出演や同県の人気キャラクター「カツオ人間」による作詞、高知県出身の歌手 岡本真夜による作曲など、話題を呼びそうな要素をつめこんでいる。