ハロウィーン、感謝祭、クリスマスと、祭日が続く季節。今年も、ホリデー商戦に向けた広告が目立ちはじめている。
アルコールでも、おもちゃでも、1日に平均3000から5000の広告メッセージに接していると言われる米国の消費者の関心をひく広告づくりは至難の技だ。特にモバイル、タブレット、PCなど、さまざまなプラットフォームを持つ21世紀の消費者の心をつかむには、何度見ても、どのプラットフォームで見ても楽しい広告でなければならない。それを達成するのは、「千に一つの難しさ」だと、『MediaPost』誌の編集長ジョー・マンディスも言う。
今回紹介する3本の広告は、そういった高いハードルを乗り越え、消費者を繰り返し感動させるだけでなく、アドパーソンや広告評論家たちから、高い評価を得ている秀作である。くしくも3つとも、広告の激戦区であるアルコールやジュースのブランドである。
「ダサい」のが「クール」
2013年カンヌライオンズ・フィルム部門で、アルコール飲料「サザン・カンフォート」(SC)のCM「Beach」が、ゴールドを受賞した。そのニュースを聞いて「やっぱり!」と膝を打つ人もたくさんいたが、同時に、極端にシンプルなこのCMに「?」と首を傾げた人もいたようだ。