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文化庁メディア芸術祭受賞作品発表

50 . Shades of Grey CHUNG Waiching Bryan ⓒ2015 Bryan Wai-ching CHUNG (01)

デジタル+アナログな音楽劇が、大賞を受賞

文化庁メディア芸術祭

アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰する文化庁メディア芸術祭の本年度受賞作品が発表された。本年度は世界87の国と地域から過去最多の4417作品の応募があった。

エンターテインメント部門大賞は、岸野雄一の人形劇+演劇+アニメーション+演奏といった複数の表現で構成される子どものための音楽劇『正しい数の数え方』。フランス、パリのデジタル・アートセンター「ラ・ゲーテ・リリック」の委嘱作品として上演されたものである。古来から存在する人形劇というアナログな手法と、インタラクティブなテクノロジーが随所で融合し、物語は展開していく。

アート部門大賞は、CHUNG Waiching Bryan のプログラミング言語を使用した、コンセプチュアルでありながら、視覚的でもある作品『50. Shades of Grey』。アニメーション部門大賞は、Boris LABBÉの圧倒的な緻密さと極端な構図で展開される短編アニメーション作品『Rhizome』。そして、マンガ部門大賞は、「マンガ大賞2015」受賞などですでに話題を集めていた東村アキコの自伝的作品『かくかくしかじか』が選ばれた。

2月3日~14日に、東京・六本木の国立新美術館を中心に、受賞作品等を紹介する受賞作品展を開催する。

正しい数の数え方 岸野雄一 © 2015 Out One Disc (02)

Rhizome Boris LABBÉ © Sacrebleu Productions (03)

かくかくしかじか 東村アキコ © Akiko HIGASHIMURA/SHUEISHA (04)

祖父江慎の本づくりの秘密を垣間見る

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01 楳図かずお「恐怖」①②(小学館 2006年)

祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ

「うまくいかない喜び」を軸に活動を展開するグラフィックデザイナー、祖父江慎。そんな祖父江と主宰するコズフィッシュのブックデザインを通して、フィジカルな「本」の魅力を探る展覧会「祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ」が、1月23日より日比谷図書文化館で始まる。

本展では、本のアイデア・プラン出しから始まってそれらを実現するための試行錯誤、本に使われる紙や本の構造、印刷方法から製本まで、祖父江が実際にデザインした本を例に見せる。多くの本が展示されるが、中でも、多くの日本人に馴染みのある夏目漱石『心』『吾輩ハ猫デアル』新装版の制作プロセスを細かく紹介。同時に、『こころ』装丁のために漱石自身が描いた装画や初版本のゲラなど、貴重な漱石自筆作品も展示される。

会期中は、前期と後期で展示が変わる。「祖父江慎さんと行く大日本印刷工場見学」やトークイベントなども開催予定だ。

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02 漱石「心」(岩波書店 2014年)

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03 ディック・ブルーナ文・絵 いしいももこ訳「ちいさなうさこちゃん」「うさこちゃんとどうぶつえん」(福音館書店 2010年)
04 うさこずフォント(2010年)

祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ

1月23日~3月23日(前期「cozf 編」:1月23日~2月14日、後期「ish 編」:2月16日~3月23日)

千代田区立日比谷図書文化館1F 特別展示室

平日:10時~20時、土曜10時~19時、日曜・祝日:10時~17時

休館:2月15日、3月21日

入場料:一般300円、大学・高校生200円、千代田区民・中学生以下、障害者手帳をお持ちの方および付き添いの方1名は無料

◆問い合わせ→03-3502-3340 千代田区立日比谷図書文化館

言葉では表現できない空気、体温、感情を切り撮る

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01、02 柿本ケンサク『TRANSLATOR』展より ©Kensaku Kakimoto

柿本ケンサク『TRANSLATOR』展

映像作家、写真家として映画、テレビCM、ミュージックビデオなどを中心に活動する柿本ケンサクの初となる個展が開催される。

柿本は中野裕之監督の下 ...

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