コンテンツマーケティングとコンテンツデリバリー戦略の極意
☑ユーザーの目線に立ったコンテンツを制作する。
☑達成したいゴールと届けたいユーザーを明確にする。
☑コンテンツを変化させ、異なる層にアプローチする。
コンテンツを制作する前に「目的」と「対象」は明確に
自社の商品やサービスの認知・拡大をしたいとき、私たちはさまざまな方法で情報を発信することができます。テレビや新聞などの「マスメディア」は一度に多くの生活者に情報を届けられる一方で、掲載のハードルはかなり高いです。PR会社の力を借りたり、取り上げられるための継続的な話題づくりが必要になったりと、それなりの費用と労力がかかります。そこで、自分たちでもできることを、と始めたのが記事作成という情報発信です。
ユーザーに向けて価値ある情報を“適切なタイミング”で提供し、そのページで紹介する商品を購入、さらにはその商品の顧客・ファンになってもらう手法を「コンテンツマーケティング」と呼びます。
1990年代に入り、インターネットや携帯電話などのIT技術普及をきっかけに、「コンテンツ」という言葉が一般的に使用されるようになりました。その後、急速に情報のデジタル化が進み、コンテンツも種類ごとに区別・細分化されるように。
コンテンツマーケティングにおいては、Webコンテンツ、モバイルコンテンツ、デジタルコンテンツの大きく3つに区分されます。ひと口にコンテンツと言っても、発信する媒体や対象ユーザーの性質は大きく異なります。コンテンツを制作する前に「目的」と「対象」を明確にし、軸が決まることで自然とコンテンツの方向性や切り口が定まっていくでしょう。
今回はWebメディア運営で制作される「Webコンテンツ」についてご紹介します。Webコンテンツとは、インターネット上のサイトや記事、サービスなどのことで、ユーザーが利用するプラットフォームに合わせて調整し、配信・拡散されます。Webコンテンツが溢れている現代では、重複コンテンツ(他サイトの内容と重複したコピーコンテンツ)も増えています。しかし、Googleなどの検索エンジンは、こういったコピーコンテンツを悪質とみなし、ペナルティを与えることも。Googleは、独自性を持つコンテンツを評価する傾向にあるので、必要な情報を網羅しつつ自社独自の魅力を発信できれば、検索上位に表示されやすくなります。
「売りにつながる文章=良質なコンテンツ」とは?
達成したいゴールと届けたいユーザーが決まれば、ようやくコンテンツ制作がスタートします。それでは、「良質なコンテンツ」とは、どんな特徴があるのでしょうか?長年、試行錯誤を繰り返しながらWebメディアを運営してきた経験から、次の3つに尽きると感じています。
①求める情報が網羅されている
近年SNSの広まりと共に、生活者が自ら情報を取捨選択して、必要な情報を元に商品を比較・検討・購入することが可能になりました。
例えば、「メガネ似合う」で検索しているユーザーは、「自分に似合うメガネを知りたい」というニーズを持っています。記事内に、似合うメガネのデザイン・色の選び方、具体的な商品の情報、逆に似合わないメガネなど、ユーザーにとって必要な情報が段階を追って分かりやすく掲載されていれば、それは良質なコンテンツと呼べますよね。ユーザーは納得感を持って自然な流れで商品購入の検討をすることができます。
反対に、自社のメガネの紹介に終始し、情報に偏りや不足がある記事は、ユーザーにとって有益とは言えず、ネガティブなイメージを与えてしまう恐れさえあります。良質なコンテンツをつくるには、ユーザーと同じ目線でコンテンツの企画や戦略を立てることが大切です。
②分かりやすく伝わる構成
正しい日本語を使うのはもちろんのこと、端的で読みやすく仕上げる工夫も大切です。漢字の多用、改行がないなどは、内容以前に読みにくさを感じ、ページから離脱してしまう傾向にあります。そのため、「目次を設置」「ディスクリプションに記事の要点を記載」「本文の内容がひと目で分かる見出し」「文章を補足する画像」「対象ユーザーに合わせた言い回しや漢字量の調整」などの工夫をするとよいでしょう。