Web動画の極意
☑単なるモノに文脈を持たせる。
☑広告として、「愛されること」を忘れない。
☑拙くてもいいので、まずは「やってみる」。
Webは何でもありのオープンワールド
はじめに「Web動画とは何か?」から考えてみようと思います。私はここ10年ほど、テレビCMと並行してWeb動画も企画するようになりましたが、いざ「Web動画プランニングの基本とは?」と問われると即答ができません。それはテレビCMが長い歴史を積み重ね、ある程度成熟したクローズドな世界であるのに対し、Web動画は未だ何でもありのオープンワールドであると感じているからだと思います。
それでも手がかりに、テレビCMとWeb動画の違いから考えてみましょう。テレビCMは、番組というコンテンツの間に一方的に流れてくる広告動画です。一方で、Webは「メディア」と「それを見る視聴者」というような非対称な関係ではありません。Webではつくりたい人がつくりたいものをつくり、見たい人が勝手に見る。動画に限らず、つくる人と見る人が同じ土俵でマッチングするプラットフォームです。企業だから、個人だからという区別もされない。それがWebなのだと思います。
何が言いたいかというと、Webではどんな流行り廃りがあってもその時に見たいと思わせるコンテンツをつくってなんぼということです。企業も個人も関係なく、広告である前に誰かが見たいと思えるコンテンツをつくろうぜってことだと思います。
コンテンツに必要なのは「モノボケ」と「映え」
それでは、コンテンツをつくるとはどういうことでしょう。ただコンテンツをつくりたいだけなら猫動画だろうと、何だろうと撮って出せばもう立派なWeb動画です。でもそれで広告になるのは猫缶の会社ぐらいかもしれません。企業のWeb動画はコンテンツでありながら広告であることを求められるというなかなかやっかいなお題を課せられているのです。では、そんなやっかいな課題にどう向き合って、考えていけばよいのでしょうか。
Web動画は何でもありなので、これが正解というわけでもありませんが、私がよく使う「モノボケ」と「映(ば)え」という2つの考え方を提案したいと思います。
モノボケとはお笑いでよく見るあれです。この“モノ…