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生成AIと広告・マーケティング

町田市の生成AI活用 市民向けチャットボット開発も視野

高橋 晃氏、和田進吾氏(町田市役所)

町田市では2022年5月、メタバースを活用した職員採用動画の作成でAIを導入。2023年5月、「町田市と株式会社エヌ・ティ・ティ・データとのジェネレーティブAIの利活用に係る連携に関する協定」を締結した。デジタル戦略室を起点にDXに注力する、町田市の取り組みについて話を聞いた。

CASE 03

市民向けサービス、市役所業務への活用

2023年5月29日に締結したNTTデータとの協定において「市民向けオンラインサービスへの活用」「市役所の業務改革・改善」「AI利活用ガイドライン」についての連携を発表。プレスリリースと同時に、協定に基づいたコンセプトムービー『トレンド技術でサービスデザインを変える』を同市のYouTubeチャンネルで公開した。

「Future Machida 2050」に向けDXを積極的に推進

町田市は2022年、戦略的なDX推進を受けて「Tokyo区市町村DX賞」や「マニフェスト大賞コミュニケーション戦略賞」などを受賞した。

その背景にあるのは、「町田市未来づくり研究所」と東京都市大学「未来都市研究機構」が2020年から進めてきた共同研究「町田市の2050年の未来を考える」の取り組みだ。リアルとバーチャルの融合について検討がなされる中で、「メタバースを活用した行政サービスの提供」を提唱。2022年10月には政策経営部にデジタル戦略室を設置した。

室長を務める高橋晃氏は、30年以上にわたり、市役所でデジタル関連の業務に携わってきた。また係長の和田進吾氏は、学生時代にWebマーケティングのスタートアップ立ち上げに関わり、その後はSEとして勤務してきた経歴を持つ。現在は両氏の専門性も生かしながら約20名で、デジタル化の推進を担う。

具体的には、若手職員が中心となって2022年度の職員採用試験PR動画や、「デジタル化総合戦略2022」の取組みを伝える動画を作成した。バーチャルエージェント「カワセミール」(市の鳥であるカワセミがモチーフ)をはじめとするアバターが登場し、取り組みの構想を分かりやすく発信する。また、外部有識者で構成する「町田市デジタル化推進委員会」の会議では全員がアバターで出席し、事務局の説明をAI読み上げソフト『voicepeak』が行い、YouTubeで配信するなど、積極的にデジタルツールを導入してきた。

生成AIを活用しチャットボットを...

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