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生成AIと広告・マーケティング

生成AI業界の激震 OpenAIの躍進でGoogle・Amazonが追走へ

岩元直久氏

日々生成AIに関する話題が絶えず、具体的な業務への導入や仕組みづくりが始まりつつある。その中でも対話型AIにおいては、OpenAI社のChatGPTの名が広く普及した一方で、GAFAMをはじめとする大手テクノロジー企業も追随している状態だ。昨今の生成AIを取り巻く状況について、ITジャーナリストの岩元直久氏が解説する。

生成AIが変えた適用範囲 2カ月で月間1億ユーザーが利用

ITに敏感な人でなくても、ニュースなどを見ていれば生成AI(ジェネレーティブAI)の話題が多く登場していることを感じているだろう。キーワードは「ChatGPT」だ。

ChatGPTを含む生成AIが広く一般に注目され始めたのは、2022年のこと。まだ登場して間もない新人ながら、AI業界だけでなく、ITやビジネスへの影響も想定されている。そもそも生成AIは、従来も使われてきたAIと何が違うのだろうか。

生成AIは、文字通りコンテンツを生成するAIのことを指し示す。ユーザーの指示内容に沿った文章や画像、音声や音楽、プログラムなどを自動的につくり出す。これまでは自分で文字を連ねたり、絵を描いたりしなければならなかった生成の工程を、AIが肩代わりしてくれるのだ。

これまでのAIの多くは、認識、予測、分析といった分野での活用だった。認証システムや、予防保全システムなどがその代表例である。多方面で活用が進むが、従来型のAIは新しいコンテンツを生み出す用途には適していなかった。そこに生成AIが登場した。

生成AIの話題としては、画像生成AIが先行して盛り上がりを見せた。2022年になってオープンソースのAI開発企業Stability AIが「Stable Diffusion」を公開し、クオリティの高い画像を比較的簡単な呪文(プロンプトと呼ぶことが多い)から生み出せるようになった。ChatGPTの開発元のAI研究企業OpenAIの「DALL-E」「DALL-E2」や、独立系研究所Midjourneyの「Midjourney」など、多くの画像生成AIがしのぎを削る状況が一気に到来した。クリエイティブの領域で、写真撮影やイラスト描画を人間からAIに委ねる可能性が先に見えてきていた。

画像生成AIに並んで生成AIのもうひとつの主役である文章生成AIは、少し遅れてブームが到来した。OpenAIがチャットボット形式で文章を生成するChatGPTを2022年11月に公開してから、本格的な活用が始まったのだ。公開からわずか2カ月で、月間1億ユーザーの利用を達成してしまったというほどで、当初からの世界の注目がわかる。

Microsoft×ChatGPTでビジネスの生産性が向上

生成AIの中でも、文章生成AIは社会のあり方を大きく変える可能性を秘める。画像生成AI...

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