常に新たな表現を生み出すことを求められる広告・メディア業界のクリエイターやプランナーにとって、ChatGPTをはじめとした生成AIはどのように仕事の仕方を変える可能性があるのでしょうか。視聴者を引き付ける魅力的なコンテンツ制作が求められる放送局でのChatGPT活用法について、数多くの新規事業を手掛けてきたフジテレビ ビジネスセンター事業部清水俊宏氏に聞きました。
活用術1
取材の質問案の作成
Q. 現在、携わっているプロジェクト、仕事内容
A. 近年、フジテレビでは「新たなカルチャーづくり」を目指し、コンテンツの魅力を最大化する新規事業開発に力を入れているのですが、私はコンテンツ制作の立場もビジネスプロデューサーとしての側面も持つ人間として様々な事業開発に取り組んでいます。
具体的には「FNNプライムオンライン」「フジテレビュー!!」などのオンラインのメディアのマネタイズから「お台場冒険王」のようなリアルとバーチャルを組み合わせたイベント、社内の人流データを新たなコンテンツづくりに活用するプロジェクトなど、従来の放送にとどまらないビジネスに取り組んでいます。また報道と広報も兼務しているので、いまでも現場に取材に行くことがあります。さらに、YouTube番組『#シゴトズキ』では自らMC兼プロデューサーとして、会社公認のYouTuberとしても活動しています。
Q. 実務におけるChatGPTの活用法
A. 業務の効率化、企画を立てる際の補助の2つの面で活用しています。まず効率化でいうと、取材前の質問案のたたき台を作成する際に使っています(画像1)。

画像1
例えば『#シゴトズキ』は、仕事を好きになる処世術を各界のリーダーに聞くという企画なのですが、この前提を踏まえて「〇〇というゲストにはどんな質問をしたらいいですか」と...