英国PAMCoに倣う 各業界一丸で雑誌広告に向き合う姿勢
先月号で、英国PAMCoの紹介をした。PAMCoは、年間2万2000人の調査データをもとに出版ブランドのインクリメンタルリーチ※測定や計測データの指標作成・データの共有・提供を行う組織団体だ。英国という国は良し悪しは別としてコロナ禍への対応も然り、目の前にある未知の課題に対して、解決チームを組織して速やかに対応するのが上手いと個人的には思っている。
※雑誌ブランドやコンテンツが複数のデバイス配信によって増加される到達率
広告調査については米国でも英国と同様、さまざまな調査が適切かつ速やかに行われているが、その多くは複数の協会が個別ないしは数社でのスキームが組んでいることが多い。
英国PAMCoが広告主から出版社まで一丸となって課題解決を目指す組織運営に注目をしたい。
「M-VALUE」が大きな調査改革に 今年は3つの取り組みに挑戦
日本でも日本雑誌協会と日本雑誌広告協会が中心となって、出版各社・ビデオリサーチ・電通・博報堂DYMP・ADKホールディングスと連携し、「雑誌広告効果調査(M-VALUE)」(以下、「M-VALUE」)の改革を進めている。昨年には新たな調査手法開発に向けて実験調査が行われた。
「M-VALUE」はこれまで、雑誌本誌の広告効果調査として2011年から20社以上の出版社が集い、それぞれの媒体に出稿された雑誌広告について、ブランド認知や商品の利用・購入意向を調査し、データにまとめていく形で進めてきた。調査対象となる雑誌をあらかじめ抽出した対象者に送付し、その接触後に調査を行う。過去数年にわたって得られたデータは業界内でのノーム値(基準値)として雑誌広告効果の説明が...