音声番組に新聞記者が出演 ニュースの背景を若者に伝える
新聞各社による情報発信が多様化する中、記者がニュースの背景などを語る音声番組が注目されている。視聴者は新聞の購読者層より若いとみられている。音声配信市場が拡大する中、企業や自治体からの広告出稿を増やして収益化を図る社もある。このほか、教育やデジタル事業に関連した地方新聞社の新たな取り組みもいくつか紹介したい。
広告出稿を促し収益化図る ラジオ局と連携した取り組みも
沖縄タイムス社は2月、無料の音声配信アプリ「Voicy」に専用チャンネルを開設した。若手社員が沖縄県内のニュース4、5本を読み上げる番組を平日午後5時に配信。曜日別に編集局、営業局、読者局の社員が担当する。土曜はニュース解説番組を配信している。
Voicy上で新聞社の社員が記事を読み上げ、ニュースの背景を解説するのは沖縄タイムスが初めて。聴取者が親しみやすいよう社員を起用した。録音、編集、配信をスマートフォンやパソコン一つでできる点もチャンネル開設を後押しした理由だという。新番組の配信時に通知が届く「フォロワー」は4月上旬の時点で1000人を超えた。
Voicyの月間利用者数は約250万。昨年末と比べ約2.5倍となった。
沖縄タイムスは音声配信を新たな収益事業と位置付ける。主な収入源は広告。豊富な記事コンテンツと自治体や企業への営業力を持つ新聞社にとって相性が良い事業だという。県外の聴取者向けの観光情報などに広告出稿の需要もあるとみられている。
ラジオ局と連携した動きもある。岩手日報社は4月、若手記者が生出演するラジオ番組...