企業のマーケティングは、テクノロジーによってどのように変わり、進化するのか。いまや企業活動の全体像をも変えようとしているテクノロジーのインパクト、それによってもたらされる近未来のマーケティングについて考える。

ディレクタス 代表取締役 岡本泰治氏
航空会社や総合電機メーカーなど数多くの大手企業のOne-to-Oneコミュニケーション戦略を立案し、シナリオ企画、コンテンツ制作、ツール運用まで、必要なすべての機能をワンストップで提供している。著書に『BtoC向けマーケティングオートメーションCCCM入門』(インプレスR&D、共著)ほか。
テクノロジーによって何がしたいか
毎年のように新たな“〇〇マーケティング”という言葉が生まれ、バズワードとなっては消えていく現在。その新手法の多くにテクノロジーが介在しているように、現在、そしてこれからのマーケティングを考えるうえで、テクノロジーの活用がカギを握るのは間違いない。
いまや当たり前にように語られるデジタルマーケティングという言葉も、その意味合いは時代とともに変わりつつある。高度なパーソナライゼーションを実現する手法として注目されるクロスチャネル・キャンペーン・マネジメント(CCCM)に知見を持つディレクタス代表取締役の岡本泰治氏が「マーケティング手法の一つとしてデジタルマーケティングがあるのではなく、すべてのマーケティングがデジタル化するため、いずれデジタルマーケティングという言葉は使われなくなるだろう」と語るように、あらゆる生活シーンでデジタルシフトが進んでいる以上、より広義な意味で理解する必要がある。
マーケティングを取り巻く情報環境が劇的に変化するなか、岡本氏は、テクノロジーが過度にクローズアップされることが問題だと指摘し …