テクノロジーと融合することで生まれる、商品・サービスの新たなマーケティングの可能性とは。マーケター10人に、テクノロジーとの向き合い方や今後の展望について聞いた。
Q. テクノロジー時代にマーケターが持つべきマインドとは?
カスタマーが各タッチポイントとマーケティングプロセスにおいて、どのような心理で何を求めてアクションを行うかと、それに即したカスタマージャーニーの考え方が重要。
テクノロジーは部分最適でなく全体最適にこそ活用されるべきで、それには全体を俯瞰したコミュニケーションとしての再設計が必要である。
(ギャップジャパン 遠藤氏)
「べき論」にこだわらないこと。固定概念や先入観を一切捨てること。テクノロジーはときにマーケターの「長年の経験からくる定石や勘」を一瞬にして否定してしまう可能性がある。
「正しいか、正しくないか」ではなく「有効か、有効ではないか」。
場合によっては、判断軸を変えざるを得ない場面に遭遇するだろう。デジタル畑出身のマーケターにとっては至極当然なふるまいであっても、これまで効果の明確な測定が難しいとされていた領域のマーケターにとっては、テクノロジーの導入により戦術の最適化が可能となる反面、より結果責任を意識することになる。
一方で、テクノロジーは消費者のウォンツを可視化したり、行動を動機づけたり、加速させる仕組みの構築に有用だが、あくまでもツールに過ぎず、どう使うかが肝。
(テンピュール・シーリー・ジャパン尾澤氏)
これからのマーケターにとって、マーケティング・アナリティクスのスキルは必須といっても過言ではないが、マーケターすべてがデータアナリストやサイエンティストのような分析技術を身に付ける必要があるわけではない。
必要なのは、あらゆる情報(定性・定量共に)を正しくインプットし、そこから浮かび上がってくる顧客プロファイルやインサイトを読み解き、企画化していくスキルである。
右脳(発散)と左脳(集約)をバランスよく使う鍛錬が必要となってくる。
(ソニー銀行 髙木氏)
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