これまでの広告の象徴的存在であり、マスマーケティング全盛時代の代表格であるテレビ。その広告効果は相対的に見れば年々低下しているとされるが、いまだに企業の広告費ではトップシェアを占め、影響力は絶大だ。テクノロジーと掛け合わせることで、どのような新境地が拓かれるのか。
オリックス生命保険 ダイレクト事業部 部長 山本秀一氏
日本生命、チューリッヒ保険、アクサダイレクト生命などを経て、現在オリックス生命のダイレクトチャネルを担当。ダイレク
トマーケティング分野で18年の経験。
再定義されるテレビCMの効果
オリックス生命保険 ダイレクト事業部長の山本秀一氏は、これまでのデジタル上だけで完結するマーケティングに限界が見え始めているとし、「バナー広告のクリック数は下がり続け、ダイレクトメールも開封されづらくなっている。リスティング広告も検索ワードごとの検索回数は横ばいで、限られたパイを競合企業と奪い合う状態になっているのが実情だ」と指摘する。
同社ではテクノロジーを活用し、テレビCMの価値の再定義に取り組んでいる。その背景には、近年、広告や宣伝にも厳密に費用対効果が求められる風潮が強まる中、マスメディアの広告効果の検証がテクノロジーを駆使することで、可能になったことが挙げられる。とくに、これまでブラックボックスとされていたテレビCMは広告予算で大きな比重を占めるだけに、その効果を可視化することは急務でもあった。
CM1回あたりの費用対効果を計測
最適なコミュニケーションを行うデータ活用
オリックス生命保険が取り組むDMP活。
(1)ブラウザにアンテナを設定してお客さまの動きを計測
(2)さまざまなデータを整理して保存
(3)データを分析しCM効果を最適化
(4)個々のお客さまに直接コミュニケーション、
といった機能を持つDMPを導入している。
同社がテレビCMの効果測定で用いるのは …