続々と生まれる新たなテクノロジーは、どのようにマーケティングに応用できるのか。IoT、人工知能、フィンテックの3つの注目キーワードから、その可能性を考える。
図表 IoTでユーザーインサイト中心の企業体質へ
IoTは、あらゆるモノにセンサーを装着し、ネットにつなげることで実現される。そこで取得する大量のデータから真のユーザーインサイトを探り当てることができ、企業は「徹底的なユーザー至上主義」体質への転換を迫られる。
IoTはあらゆる事象を変える兆し
2015年はアップルウォッチの発売もあり、急速にウェアラブルデバイスの一般普及が進みました。これによって、ウェアラブルデバイスが単にスマートフォンの情報を腕時計上に表示させるといった電子オモチャではないことが認識されつつあります。これらは身体に装着することで、心拍や運動量といった身体内部の情報と気温や位置などの外界の状態を取得し、データをクラウドに送信することで、ビッグデータ蓄積の入り口となるものなのです。
こうした新たな技術を、ITにおける一過性の流行りとしてではなく、世の中が「Internet of Things(IoT)」、つまり「モノのインターネット」という概念に足を踏み入れ、そこからマーケティングを含むさまざまな事象が大きく変わっていく重要な兆しと捉えるべきでしょう。
IoTは、あらゆるアナログなモノを、センサーの装着によってネットにつなげることで実現されます。アナログなモノそのものはネットにつなげませんが、その状態をセンサーで測定し、クラウドにデータ送信することで、擬似的にネットにつながる状態になります。これによってITの活用は、バーチャルなネット空間に閉じたものでなく …