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マーケティング・テクノロジーの未来

マーケティング部門とIT部門、その障壁は何か

TIS 秋野 隆

企業が抱える構造的な課題の一つとして“縦割り組織”を挙げる声は少なくなく、マーケティングにおいても、あらゆるボトルネックの根源になっている。改めて、日本企業が取り組むべき、IT導入プロセスについて考える。

デジタルマーケティングを定義する

マーケティングとテクノロジーを融合したさまざまな施策を実施し、成果を上げる企業が欧米を中心に増えてきています。日本でもマーケティングにテクノロジーを応用する動きが本格化してきました。

企業においてデジタルマーケティングの適用範囲はあまりに広く多岐に渡るため、各部門での認識や意見の相違があります。スコープされるべきデジタルマーケティングとしては、以下のように定義ができるでしょう。

・デジタルをフル活用したマーケティング活動を行い、顧客満足度の向上や利益を上げること。

・個別施策のマーケティングではなく顧客接点を全社的に横断した“統合型デジタルマーケティング”であること。

次世代を担うマーケティングこそが、統合型デジタルマーケティングです。その分野で先行している欧米企業や先進的な取り組みをしている日本企業の事例をベースに、マーケティングシステム導入にフォーカスをあて、統合型デジタルマーケティングを推進するポイントを見ていきます。

統合型デジタルマーケティングの実践

図表1 統合型デジタルマーケティング基盤システムの概要

統合型デジタルマーケティングとは具体的に何を統合するのか。それは主に次の3つです。

1.施策の統合

顧客を理解し、それぞれの状況にあったコミュニケーションを提供することにより、顧客のLTVを最大化させます。そのためには、目の前のプロモーション効果を高めるだけではなく、部門を越えた全社横断のマーケティング施策の検討実施が必要になります。

2.チャネルの統合

マルチチャネルと呼ばれるように、いまや企業と消費者のタッチポイントは多岐にわたるようになりました。そのすべてのチャネル(顧客接点)で一貫し、的確なコミュニケーションを実施することが必要です。オムニチャネル施策への転換をすることにより、顧客満足度を飛躍的に高めることができます。

3.システムの統合

Webサイトなどのオンライン、販売・サポートと …

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