テクノロジーと融合することで生まれる、商品・サービスの新たなマーケティングの可能性とは。マーケター10人に、テクノロジーとの向き合い方や今後の展望について聞いた。
Q. 現状の課題とテクノロジー活用への期待は?
カスタマーとコミュニケーションするためのデータトラッキングや手段・タッチポイントは増えているが、その一方で散在・偏在するデータの一元管理や分析などが後手に回っている。
よりパーソナライズされたコミュニケーションを実現し、マーケターが本来的な「思考」の業務にフォーカスするために、オペレーション面も含めたテクノロジーとその活用が求められている。
(ギャップジャパン 遠藤氏)
消費者ニーズが多様化するなかで、これまで消費者にアプローチする手段があまりにも偏り過ぎて、ビッグプレイヤーがアドバンテージを持っていた。デジタル中心に多くのアプローチ手段が広がることで、消費者とブランドとのミスマッチが軽減され、さらに小さなマーケティングプレイヤーにもチャンスが生まれてくるはず。
(モルソン・クアーズ・ジャパン 小林氏)
マーケティングはもともとKGIである売上向上のための、そこにいたる道筋を最適化する方法論だが、この道筋にセットされた中間KPIの最適化に固執しすぎている。これはマーケティングが直接購買データを被説明変数としてプランニングできなかったことが主要因。
今後は、マーケティングが従来扱っている「行動データ」とKGIに直結する「購買データ」をどう有機的に結びつけるかが大きな課題。
ICTやマーケティング・サイエンスの技術がその有機的結合(データ統合)を可能にする。
(あきんどスシロー 森井氏)
自社の直販チャネルの販売・顧客データは取りやすいが、小売業者を通して商品を販売するチャネルでの消費者のデータが定量的に取れないという課題がある。IoTなどテクノロジー活用への期待は大きいが …