若者の間ではどんなネットサービスが流行しているのか。国内のスタートアップ事情に詳しい梅木雄平氏が、若者間でのコミュニケーションのインフラになりつつあるサービスのトレンドを理解すべく、3つのキーワードを軸に読み解く。
若者ウケするサービスの傾向
光陰矢の如しと言える、インターネットサービスの隆盛の兆しは、若者の利用動向を押さえるのが定点観測地点の一つとして有用であろう。2015年現在では日本国内の20歳前後の若者の間で人気筆頭のサービスは、間違いなくInstagramだ。写真をアップするだけというシンプルなサービスだが、Facebookのような人間関係の煩わしさがない点も、若者ウケする要因の一つであろう。ここでは、特に若者の間で今後の利用が浸透しそうなサービスに焦点を当て、その傾向を紐解いていく。
2015年の日本の若者ウケするサービスの傾向は、3つのキーワードに集約できる。「クローズド」「日常の動画コンテンツ化」「エンタメのスマホ置き換え」だ。
若者の「クローズド」文化とは?

Snapchat
一足早く米国では動画コミュニケーションサービスのSnapchat(スナップチャット)が大人気だ。送信者が10秒以内の閲覧時間を設定し、受信者が閲覧次第、送られた動画や写真は消去されるというのが最大の特徴。すでに全世界で若者を中心に毎日1億人以上のユーザーが利用している。ちなみに、「動画が残らない」という点は、若者のセクスティング(性的なメッセージや画像などをやりとりする行為)での利用を促進して人気を博したという説もある。日本ではまだ流行していないというのが一般的な見解だが、聞くところによれば徐々に若者を中心としたユーザーが増えているという。
“カップルSNS”も若者の間でかなり浸透してきている。国内のカップルSNSといえばPairyが最古で、その後韓国のBetweenが上陸、最後に恋愛・婚活マッチングサービスpairsを提供するエウレカがCouplesで参入した。現在、若者カップルの間で一番使われているのはCouplesのようだ。Couplesのダウンロード数は2015年9月時点で300万人を突破。テレビCMとTwitterを中心としたプロモーションで若者の支持を広げた。
Facebookが日本でもコミュニケーションのインフラになったことを疑う人はいないと思うが ...