大人からすれば、一見わけのわからない現在の若者の行動をどのように理解すればいいのか。自身もデジタルネイティブかつ“インスタ世代”である石井リナ氏が、自らの体験やそれに伴う心理を交え、若者たちのインサイトを突くコミュニケーションの設計法を指南する。
オプト ソーシャルメディアコンサルタント 石井リナ
Web広告のコンサルタントを経た後、SNSコンサルタントとして企業のマーケティングに従事。学生時代よりファッション誌の広報インターンとして、リアルイベントの企画・運営をするなど、F1層マーケティングを得意とする。SNS特化メディア「kakeru」にて連載を執筆中。セミナーの講師も多数行う。
“インスタジェニック”という価値観
一口に若者といっても2種類に分けることができます。MixChannelやVineなどの動画サービスを使いこなす18歳以下の「ミクチャ世代」と、Instagramの写真投稿サービスに熱中する18~25歳の「インスタ世代」です。厳密に言えば両世代の中でも大きな違いがあるのですが、ここではインスタ世代にフォーカスをあて、話を進めます。
インスタ世代の価値観を理解してもらうために重要なキーワードとして“インスタジェニック”というものがあります。
インスタジェニックとは、「Instagram上で映えるモノやコト」という意味で使われています。Instagramは、もともと写真加工アプリであり、写真好きの人たちがアクティブに利用していたことから、“綺麗な写真を載せるSNS”という暗黙のルールのようなものが共通認識としてあります。
より具体的に言えば、インスタジェニックには2種類あると考えています。1つ目は、色彩豊かであったり、単純に写真映えするモノやコト(図1)。写真がうまく撮影できたと思えば、それがインスタジェニックなものであり、どの世代でも共通する認識だと思います。具体例として挙げるとすれば、自然などの風景や建築物、街並みなど …