デジタルネイティブ世代のコミュニティの多くはネット上で形成されるが、そこで生み出される熱狂は必ずしもデジタルでは完結しない。彼・彼女らはリアル体験を求め、そしてその体験が向かう先はInstagramだ。“リアル→ネット”の導線づくりのヒントに迫る。

『ELLE girl』では、今年からInstagramによるコンテスト企画を毎号行っている。9月号では「バカンスにまつわるオシャレな写真や動画」を募集し、グランプリを受賞した投稿は次号の誌面で紹介した。アートとしてのクオリティも高く、ファッション感度の高い読者ならではの写真が投稿されている。
コト消費を後押しするInstagramの存在
「若者の●●離れ」「モノ消費からコト消費へ」などの言葉が物語るように、若者の消費に対する価値観が大きく変化している。例えば、音楽業界では、CDなどの音楽ソフトの売上が低迷し、ピーク時から半分以下の市場規模に落ち込んでいる一方、ライブコンサートの市場規模は急拡大傾向にある。ライブコンサート市場はいまや音楽ソフトを上回り、この10年間で3倍近くまで規模を拡大した。そうした背景には、コト消費に傾倒する現代の若者ならではの消費スタイルがある。そして近年、そのスタイルを後押しするトレンドになっているのが、リアルな体験の写真をSNS上にアップして共有する行為だ。
若者たちにとって「体験→写真共有」という流れは定番化しており、現在その有力なプラットフォームになっているのが、Instagram。グローバルでは4億人のユーザーがおり …
あと74%