10月9日、全世界で累計1億ダウンロードを突破したと発表した「B612」。多彩なフィルターやエフェクトを使用して、自分好みの写真や動画を撮影することができる自撮り専用カメラアプリとして、“セルフィー(自撮り)”の流行に伴い、世界中にユーザーが広がっている。

体験×写真を象徴する“自撮り”
小説『星の王子さま』に登場する、王子さまが住んでいた星の名前にちなんで名付けられたという「B612」。アプリを起動すると自動で内側カメラが起動し、画面を指でスライドさせるだけで89種類のフィルター切り替えができる。さらに画面のどこをタップしても撮影が可能など、一般的なカメラアプリにはない自撮りに特化している点が特徴だ。
スマートフォンの世界的な普及によって次々に新たなアプリが開発され、特に写真や動画に関するアプリはその流行のサイクルが速い。その背景には、若者に限らず、世界中の多くの人々にとって“体験”と“写真”がこれまで以上に切り離せないものになっていることが挙げられる。そして、そうした現象を象徴するのが“自撮り”行為だ。
自撮りはいまや世界中に広がっており、『オックスフォード辞書』を発行するオックスフォード大学出版局は、2013年の「今年の言葉」にセルフィー(自撮り)を選出した。また、より上手に自撮りができるようにと、先端部分にスマホを装着して自撮りをするための棒状の器具「自撮り棒」も出現し、すでに旅行グッズとしての存在感も増している。B612も、こうした世界的な“自撮り文化”の広がりと相乗して、東アジア・東南アジア・中南米地域を中心にユーザーを伸ばし、累計ダウンロード数1億件に至った。
最大の特徴は多様な機能
「会員登録などが必要なサービスではないため、ユーザーの性別や年齢などの属性に関する正確なデータはない」(LINE B612企画担当者)ということだが、主なユーザーは10~20代の女性が中心だという。B612で“インスタジェニック”な自撮りをしてInstagramにアップするというのは、若い女性の間ではもはや定番の流れになっている。
自撮り文化の浸透に伴い、カメラの編集機能に対する要求は年々高まっている。「可愛く写りたい」「インスタジェニックな写真を撮りたい」「“リア充”をアピールしたい」などのユーザーのニーズに応えるB612の大きな特徴は機能面にある。自動的に人物を認識し ...