大量の情報と24時間つながり続ける人間関係に囲まれて生きる現代の若者たち。彼らのSNSの活用法やコミュニケーション術には、情報過多時代を生き抜く知恵がある。電通若者研究部で10~20代を観察対象に、若い世代のモノの考え方を研究する吉田将英氏に最近の傾向を聞いた。
必要な情報を瞬時に識別
「約7割の女子高生が、人間関係をリセットしたくなることがある」と回答…。電通若者研究部(ワカモン)と電通総研が今年2月に行った調査からは、情報洪水時代に生きる若年層のインサイトが見えてくる。
電通若者研究部 代表の吉田将英氏は「よく“時代は廻る”と言うが、ファッショントレンドのようにリバイバルする変化もあれば、逆行することのない変化もある。逆行しないものの代表例が情報量の増加。未来永劫に渡り、情報量が増え続けていくことは確実だ」と話す。そんな時代を生き抜く若者世代は、瞬時に自分にとって必要な情報を峻別するスキルが磨かれていく。そしてリアル・デジタルの世界を問わず、若年層の行動の特性の背後には、情報洪水時代という社会環境がありそうだ。
「人とのコミュニケーションも情報の一つと考えれば、SNSでつながりを持ち続けられる現在の環境は、さらに若者を取り巻く情報量を増加させる要因になっている」と吉田氏は話す。ネットやSNSが登場する以前の若者にとっては、誰ともつながらない状態がニュートラルだった。そこでポケベル、携帯電話とつながりたい欲求に答える商品が浸透をしていった。
しかし、いまの若者は …