各社の広報部門の責任者が、反響の大きかった広報施策を教えてくれた。その事例から、社会の関心への寄り添い方や、目的・ターゲットに即した手法選びなどが研究できる。自社とは異なる業界の施策もヒントになりそうだ。
IT
アイル
反響の大きかった広報施策
社内向けに「生理」について学ぶ講義とディスカッションの場を企画
実施時期:2020年12月
目的:社員の健康とエンゲージメント、生産性の向上
ターゲット:生理事情に悩む社員を中心に、社内全体
社員の声から「生理休暇」を制定
エンゲージメントの向上に寄与
当社は社員の男女比が7:3と女性社員が少ないため、特に男性社員への理解促進のためユニ・チャーム社の社内向け「生理研修」を受講。研修をきっかけに行った社内アンケートの結果から、年次の有給休暇とは別に年に1日まで「生理休暇」を有給として取得可能に。社内トイレへの生理用品の無償設置を決定した。
2020年12月にこの取り組みをプレスリリースで発信。男性が多いIT企業で社員の声から制度を変えたことが注目され、TBS系列『news23』などテレビ4本、新聞・雑誌・ウェブに約10本掲載。労働組合からの講演依頼、企業や高校・大学からも問い合わせが続いた。2023年7月現在も取材依頼やメディア掲載が続いている。
DATA
広報企画室
人数:3名
体制:経営企画室内
活動内容:
☑ メディアリレーション
☑ SNS・オウンドメディア運営
☑ 社内広報
☑ ESG・SDGs関連
IT
ウイングアーク1st
反響の大きかった広報施策
2024年問題による物流課題に対する連携発表
実施時期:2023年4月
目的:物流の働き方、人の負担を解決する4社スキームの提供
ターゲット:物流・運輸業界
物流の2024年問題解決に向け運輸業と協業でスキームを発表
当社はIT企業で電子化・データ活用に注力している。その一環で、運輸業に携わる協議会メンバー企業173社(2023年4月5日現在)の運輸課題に基づいた解決スキームを、当社を含む4社協業で提供すると発表した。
運輸業界に特化した事業計画策定・計画実行支援・改善ツールの提案など、業界の課題解決に向けた一連のサポート体制を構築。当社は物流業専門のデータ可視化プラットフォームを提供している。運輸業界において「物流の2024年問題」や人手不足、燃料費の高騰など、対応が急務である喫緊の課題解決を図る狙いだ。発表後、運輸物流メディアでは「具体的な解決手段」と高く評価いただき、多くの問い合わせをいただいている。
DATA
マーケティング本部
人数:3名
体制:マーケティング部内
活動内容:
☑ メディアリレーション
☑ SNS・オウンドメディア運営
☑ 社内広報
☑ グローバル広報
☑ 危機管理広報
IT
キヤノンマーケティングジャパン
反響の大きかった広報施策
インボイス制度に対応したデジタルドキュメントサービスの新サービスPR
実施時期:2023年4月
目的:新サービスにおける大手・中堅企業向けのインボイス対応PR
ターゲット:BtoBウェブメディア、経済紙、産業紙記者、大手・中堅企業の経理部門担当者、情報システム部門担当者
インボイス対応の新サービス
報道露出量が約1.5倍に増加
デジタルドキュメントサービス領域は当社グループのITソリューション事業の注力分野。業務DXを支援するクラウドサービス「DigitalWork Accelerator」シリーズは電子取引管理サービスと業務別・業種別サービスで構成される。
シリーズ第2弾の「請求書受取サービス」は、インボイスに対応し、請求書の受領から支払処理までの経理業務を支援。サービス開始時には、オフィス複合機とクラウドサービス、アウトソーシングサービスを組み合わせることができ、導入から運用支援までワンストップで提供できるメリットを訴求した。第1弾より報道露出量が約1.5倍となり、サービス紹介ページのアクセス数などが増加した。
DATA
広報部
人数:16名
体制:本部として独立
活動内容:
☑ メディアリレーション
☑ 社内広報
☑ 危機管理広報
IT
GMOペパボ
反響の大きかった広報施策
リスキリングに関するメディアアプローチ
実施時期:2022年10月~
目的:リスキリング機会を創出する企業としての認知獲得
ターゲット:ユーザー、求職者、メディア
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