各社の広報部門の責任者が、反響の大きかった広報施策を教えてくれた。その事例から、社会の関心への寄り添い方や、目的・ターゲットに即した手法選びなどが研究できる。自社とは異なる業界の施策もヒントになりそうだ。
食品・飲料
アサヒグループジャパン(アサヒグループ)
反響の大きかった広報施策
アサヒ飲料「CO₂を食べる自動販売機」に関する説明会
実施時期:2023年5月
目的:大気中のCO₂を吸収する自動販売機を活用したCO₂資源循環モデルの実証実験を開始することを伝え、本業を通じた新たな価値提案と環境配慮に対する企業姿勢を訴求する
ターゲット:メディア
「CO₂を食べる自販機」説明会
実演でメディアの関心を高める
脱炭素社会の実現に貢献する国内初の取り組みとして、大気中のCO₂を吸収する自動販売機を活用したCO₂資源循環モデルの実証実験を開始。その説明会をメディア向けに実施した。取り組みが分かりやすくイメージできるよう「CO₂を食べる自販機」をタイトルに入れメディアからの関心を高めた。
説明会では該当の自動販売機を展示した他、自動販売機の庫内に設置する特殊材がCO₂を吸収する様子を実際に実演することでしくみを分かりやすく説明した。多くのテレビ、新聞、ウェブなどの媒体での露出につながり、自治体や企業などからも実証実験に関する問い合わせが増加した。
DATA
広報部
人数:17名
体制:社長直下
活動内容:
☑ メディアリレーション
☑ SNS・オウンドメディア運営
☑ 社内広報
☑ 危機管理広報
☑ ESG・SDGs関連
食品・飲料
味の素
反響の大きかった広報施策
Z世代向け施策のメディアアプローチ
実施時期:2022年6月、2023年6月
目的:若年層に向けた取り組みを強化していることを発信
ターゲット:メディアを通じた各種ステークホルダー
「食」に関わる施策をZ世代と実施
メディアを通じて若年層に届ける
Z世代をターゲットとした専任組織の活動をストーリー化し発信。2022年6月にはZ世代をターゲットとした期間限定商品を商社と連携し、高速で開発、EC及びポップアップストアで販売した。専任組織立ち上げから製品開発、販促までを一連のストーリーとしてメディアに発信。各種メディアでの取り上げが実現している。また2023年6月には同専任組織がZ世代と共に行った「未収穫農作物」の収穫、加工、販売までを追い、こちらもストーリー化。こちらの企画でも多数メディアで取り上げられた。
DATA
グローバルコミュニケーション部
人数:50名
体制:コーポレート本部内
活動内容:
☑ メディアリレーション
☑ SNS・オウンドメディア運営
☑ 社内広報
☑ グローバル広報
☑ 危機管理広報
☑ その他
食品・飲料
石井食品
反響の大きかった広報施策
ファンイベント初開催
実施時期:2023年3月
目的:ミートボール50周年を2024年に迎える前に石井食品のファンを見つけるイベントを行う
ターゲット:石井食品のファン
ファンとのアットホームな交流会
つながりを実感できる場に
初のファンイベントを開催。コロナ禍ということもあり、お客さまとの接点が減少していた。改めて石井食品のファンがどこにどういう形でいるのか、ファンはなぜ「イシイのミートボール」ファンなのかを知る、またファンにとってミートボール(石井食品)を深く知れる、つながりを感じられて嬉しい気持ちをもってもらう場とした。
工夫した点は、あえての手作り感。作りこまない、石井食品らしいほんわりとしたイベントにすること。アットホームなお出迎え。開発者のトークセッションや、手づくりミートボール教室、ここでしか手に入らないお土産などを準備した。応募期間は短かったが30名募集に対し120名ほどの応募があった。
DATA
ブランド&コミュニケーション部
人数:7名
体制:本部として独立
活動内容:
☑ メディアリレーション
☑ SNS・オウンドメディア運営
☑ 社内広報
☑ 危機管理広報
☑ 広告宣伝
☑ IR
☑ ESG・SDGs関連
食品・飲料
伊藤園
反響の大きかった広報施策
「お~いお茶」の茶畑が進化中 鹿児島茶産地取材会
実施時期:..