業界ごとに存在する数多くの専門メディア。広報担当者にとっては、メディア対応の登龍門となることも多いでしょう。その編集方針やヒット企画、注力テーマを聞き、関係構築のヒントを探ります。
アナウンサーによる事業者へのインタビュー
自身も介護経験のある町亞聖氏(フリーアナウンサー)が毎号、高齢者住宅や介護施設などの運営事業者に、そのビジネスにかかわることになったきっかけなどをインタビュー。業界になじみの薄い読者でも興味を持ちやすい。
介護保険制度の確立や人口高齢化などの社会課題を背景に、2004年に創刊されたのが『月刊シニアビジネスマーケット』だ。「ケアマネージャーなど介護の現場でなく、シニア向けビジネスを考える経営層に読者を絞っている点が特徴です」と編集長の坂本義朗氏は語る。
介護保険から食材販売まで
高齢者施設や病院など事業主による定期購読が多く、中心テーマは介護だが、シニア市場を取り巻くビジネス全体の情報を扱う。介護事業は参入障壁も低く、10年で2倍の事業者数になったと言われ、様々な業種からの新規参入も多い。同分野の基礎知識の特集は定番企画で、「介護保険の仕組みや改正のポイント」から、施設での事故防止の秘けつまでをフォローする。
3月号では「一億総活躍社会」をテーマに立てて、家族介護を理由とする離職対策としての「アベノミクス新3本の矢」のひとつ「介護離職ゼロ」施策の課題を探る特集を組んだ。世の中の動きと連動してあらゆるシニア関連情報を扱い、高齢社会に対応したビジネスモデルや施設、資金調達から法制度までの最新の動きを伝える。また、シニアの人口動態や老人ホーム施設数などの …