業界ごとに存在する数多くの専門メディア。広報担当者にとっては、メディア対応の登龍門となることも多いでしょう。その編集方針やヒット企画、注力テーマを聞き、関係構築のヒントを探ります。
部下の子育てを支える「イクボス」が誕生
1月号では父親の子育てへのかかわり方を「イクメン期(育児)」「カジメン期(家事)」「イキメン期(地域)」「ケアメン期(介護)」「イクボス期(管理職)」の5段階で解説した。
カッコ良く育児を楽しむ
英国発の父親向け雑誌『FQ』の日本版として誕生し、今年12月に創刊10周年を迎える『FQ JAPAN』。「オトコの子育て」をテーマにした専門誌として、2010年の新語・流行語大賞のトップテンに選出された「イクメン」ブームをけん引。育児のハウツーや子育て中のライフスタイルを広く提案する。
「創刊当時強く感じていたのが、ハリウッドスターなど海外のセレブ男性は子育てを堂々と話す人が多いのに、日本では皆無だったこと。そこで、子育てを積極的に楽しむ男性は格好良いというイメージ付けや、海外ならではのスタイリッシュさを伝えることをまず大事にしました」と編集長の宇都直也氏は振り返る。
既婚女性の就業率の上昇を背景に、近年は子育ての多様化が進む。「イクメンという言葉が浸透し、男性の家事や育児参加が当たり前になりましたが、最近では読者の中には『当たり前のことなのに、かしこまってイクメンと呼ばれても……』と当惑する人もいます。イクメンと一括りに表現できない時代になってきていますね」。
同誌ではこうした流れを受けて、イクメンという表現を徐々に減らす方針をとっている。「イクメンという言葉によって、父親とはこうあるべきとの価値観が先行し、世間がつくり上げた理想のイクメン像と自分を比べてしまい、自信をなくしてしまう父親も少なからずいます。僕らの思いは自分自身がまず育児を楽しもうということ。自分らしく自信を持って子育てすると、家族も楽しくなる。父親を楽しむための誌面づくりを毎号心がけています」。
変わりゆく夫婦の財布事情を独自調査
読者の共働き率が高い同誌の調査によると、夫婦の財布事情は「妻が管理する派」は約4割で、「別財布派」が増えている。お互いの給与額を知らないと答える人もおり、財布のあり方も多様化が進む。
件名で相手に響くリリースを
プレスリリースは個人・編集部宛てを問わず副編集長のもとに集約。活用できそうなものを選定した後、部内で回覧している。メールでのリリースの際は、件名の良し悪しが見るか見ないかの第一関門になると宇都氏はアドバイスする。
「長いタイトルは読まないですし、誌面と関連性のないものは …