業界ごとに存在する数多くの専門メディア。広報担当者にとっては、メディア対応の登龍門となることも多いでしょう。その編集方針やヒット企画、注力テーマを聞き、関係構築のヒントを探ります。

伝わりやすいよう、商品画像は撮り直すことも
メーカー担当者が商品開発の経緯を解説する「CLOSE UP」は、巻頭のカラー面であることから、商品イメージが伝わりやすいとメーカーからも好評だ。プレスリリースの画像だけでは伝わりにくいときには、編集部が自ら商品を購入し撮影することも。
海外にも足を運び情報収集
食品・飲料包装に特化した情報を伝える『月刊食品包装』。主に、食品製造・販売系の商品企画や包装資材の開発、製造担当者などの読者に向けて、包装仕様の決定プロセスやパッケージデザインの潮流、新素材への評価などビジネスに役立つ誌面を展開する。
「マーケティングや市場動向、鮮度保持など技術的な観点も盛り込み、毎号最も旬な企業に切り込んでいます」と編集デスクの吉沢文雄氏は話す。
同誌では東京と大阪に記者を配置。姉妹紙の『包装タイムス』と連動して記事を配信するなど、媒体を超えた編集体制をとる。さらに、世界32カ国の包装ジャーナリストからなるIPPO(国際包装プレス連盟)にも人脈を持ち、3年に一度ドイツで開かれる世界最大の国際包装展には編集長自ら現地に赴くなど、世界の包装の最新動向を伝える。
「世界的な傾向として、今後直面する食料(廃棄)問題に対し、包装産業からの貢献を提案する“SAVE FOOD”の動きが活発化しています」。
日本でも数年前に、食品流通業界の商慣習で、賞味期間内の加工食品を早めに返品・廃棄する、いわゆる「3分の1ルール」の見直しが取り沙汰された。「食べられる食品が廃棄される問題は包装以前の問題だとも言えますが、酸素や水蒸気を遮断するバリア包材など、より長期保存が可能になる新たな包材の開発を促し、需要拡大につながっていくと考えられます」と吉沢氏は予測する。
製品発表会の案内は大歓迎
プレスリリースの情報はカラー面でも紹介することが多く、求めるパッケージ画像が不足していれば、編集部で撮影する場合もあるという。
「読みやすい誌面にこだわっており、商品の再撮影もそのためです。表紙を含め、手にした瞬間からワクワクしてもらえる雑誌を毎号目指しています」。
特に求める情報は、新製品の記者発表会。「ある製品パッケージが目に留まり、取材を申し込んだところ、記者発表会があるので来られますか?とお返事をいただいたことがあります。発表会の案内は …