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社内報のつくり方

海外200拠点も一本化する三菱重工業のグループ報編集部に潜入

三菱重工業

インナーコミュニケーションを活性化させ、事業の成長を後押しする役割を担う社内報。社内広報活動の根幹業務であり、社員を巻き込む企画力や編集力が問われます。今回はコミュニケーション・アンバサダーが活躍する三菱重工業のグループ報制作の裏側に迫ります。

三菱重工業
『Global Arch』

所内報から誕生のグループ報

エネルギー・環境、交通・輸送、防衛・宇宙、機械・設備システムという4つのドメインで事業展開する三菱重工業。2013年のドメイン制への体制移行を踏まえ、13の事業所で作成していた所内報をグループ報『GlobalArch』として集約した。日本語版と英語版を同時発行しており、配布対象は海外約200拠点も含む。

「事業所ごとにまとまるのでなくグループ全体の一体感を高め、グローバルに事業展開を加速しようという機運がありました」と編集長の髙橋弘行氏は語る。

制作のカギを握るのは、グループ内コミュニケーションを推進する役割を持つCA(コミュニケーション・アンバサダー)の存在だ。所内報時代の担当者と4つのドメイン、グループ会社から選出された約20人が担当している。

「表紙は毎号、グループ内から集めたグループ員*1の写真で構成していて、多いときでは表紙だけで150人が登場します。これは各部署と直接やり取りして協力を得るCAの存在がなければ成り立たない企画です」。

*1 三菱重工グループ各社の社員を指す。

ほかにも、技術用語をかみ砕いた言葉で分かりやすく伝えることや、グループ会社の規模やドメイン、国内外にかかわらず平等に情報が載るよう、掲載バランスを考えることを意識している。「多くのニュースを生み出している部署だけを取り上げるのではなく、『グループ員がどのような思いでそのプロジェクトに参画したのか』を聞き出すよう努めています」。

グループ報へ移行してからは、グローバル展開に向けた情報発信も積極的だ。海外拠点を紹介する「GLOBALNETWORK」は、その国の人気料理や観光名所なども紹介しているため、「様々な文化を持つグループ員が一緒のチームで働いていることが一目で分かる」といった声もあり反響がある。一方で、日本の拠点が取り組んだ社会貢献活動やレクリェーション活動を紹介する「わくわく通信」も、日本を身近に感じることができると海外のグループ員から好評だ。

今後の抱負は、グループ員のための …

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