インナーコミュニケーションを活性化させ、事業の成長を後押しする役割を担う社内報。社内広報活動の基幹業務であり、社員を巻き込む企画力や編集力が問われます。今回は2015年4月に創業60周年を迎えた大和ハウス工業のグループ報制作の裏側に迫ります。
大和ハウス工業
『なごみ』
現場を巻き込んだ綿密な企画
大和ハウス工業は1955年に「建築の工業化」を企業理念に石橋信夫氏が創業した。半世紀以上にわたり住宅・賃貸住宅・分譲マンション・商業施設・一般建築物を提供。現在は環境エネルギー、ロボット、農業などの新規事業にも参入し、事業領域を拡大している。グループ会社数は145社(2015年3月末現在)だ。
社内報『なごみ』は、社内情報誌『大和ハウスニュース』として1958年に創刊され、2004年4月よりグループ報としての役割を担うことに。今年4月の創業60周年を機に、一部のOBにまで配布先を広げ、現在は約5万部発行。誌面には役員や管理職だけでなく、一般社員も数多く登場する。「創業者精神や経営方針の伝達、グループ内での情報共有を促すツールとなるよう努めている」と語る編集長の後藤かな子氏を含め、担当者は3人だ。
2015年4・5月号は創業60周年特別号として全体の半分以上を特集面とした結果、グループの過去から将来までのつながり、そして横のつながりを伝えることができた。グループの事業を数字やイラストでまとめたページは社員からも好評で、二次利用の問い合わせが数多く寄せられたという。
「具体的な数字を盛り込めば、社員がお客さまや取引先にグループの事業内容を説明する際に利用できます。特定ページを刷り増したり、ポスター化するなど、幅広く活用されています」。
特集以外のトピックスは、各事業所やグループ各社から届く情報が手がかりだ。「取材が決まると、担当者と直接会って、スケジュールはもちろん掲載の趣旨や企画内容を共有し、事前に細かく要望を出してもらいます。グループ報は社員のために発行するものであり、社員の協力がなければ制作できないもの。皆さんに喜んでいただける誌面となるよう、企画のプロセスには時間と労力を惜しみません」。
全国の事業所を訪問する連載「なごむんが行く!」は、社内公募からネット投票を経て誕生したキャラクター「なごむん」の認知度の高さも手伝って、取材がスムーズに進む …