賃金や福利厚生といった待遇が良い会社でも、労働環境が悪ければ「ブラック企業」の烙印を押されてしまう時代になった。そんな中、重要視されているのが「働きがい」だ。一体、働きがいとはどのようにしてつくられるのか。その秘訣を、「働きがいのある会社」ランキングにて選出された企業の広報・社内コミュニケーション推進担当者が語り合った。
「働きがい」をつくる立役者たち
――今回は2月に発表された「働きがいのある会社」ランキングにランクインした企業の皆さんにお集まりいただきました。まずは、皆さんの会社についてご紹介いただければと思います。
芝原 ▶当社は「スポーツクラブ ルネサンス」の運営を中心に、ヘルスケア事業にも取り組んでいる会社になります。高齢化に伴い、国策としても国民のヘルスケア関連の事業を推進する動きがありますが、実は日本におけるフィットネスクラブの利用率はおよそ3%と言われており、アメリカの10%以上の状況と比べるとまだまだ低い数値となっています。私たちも国の取り組みに応じて、スポーツクラブ事業だけでなく、現在は、企業に対する健康経営の提案や、自治体や地域の健康推進事業にも取り組んでいまして、今後も健康をキーワードに幅広い事業展開を考えているところです。
蓮井 ▶芝原さんご自身は、長くヘルスケア業界にお勤めなのですか?
芝原 ▶そうですね。私は以前別のスポーツクラブで水泳のコーチをしていた経験もあるのですが、その後ルネサンスに入社し、顧客対応窓口を担当しました。その後カスタマーサービス室の室長を経て、今年の4月に新設されたパブリックリレーション部で部長を担うことになりました。
伊東 ▶ではヘルスケア関連でアッヴィについても紹介させてください。当社は医薬品を提供する製薬会社でして、病院で処方される医療用医薬品の開発・製造・輸入・販売を行っています。2013年に本格的に事業を開始したのですが、ゼロからつくられた会社ではなく、米国のアボットラボラトリーズという医療品を扱う総合ヘルスケア会社から分社して誕生しました。アボットラボラトリーズは125年ほど続く大変歴史のある会社なのですが、そこから新薬部門だけを独立させて設立したのがアッヴィになります。
芝原 ▶伊東さんも元々は新薬の開発などに携わっていたんですか。
伊東 ▶いいえ。実は私は、新卒で読売新聞社に入社しまして、新聞の閲読状況など調査関連の仕事をしていました。それからジョンソン・エンド・ジョンソンやクロックス・ジャパンと、まったく毛色の異なる企業で広報や広告、デジタルマーケティングの責任者などコミュニケーション関係の仕事に従事してきまして、2014年10月に現在の会社に入社しました。
大浦 ▶様々な企業でのご経験があるのですね!
では続いてPlan・Do・Seeについてもご紹介させていただきます。当社はホテルやレストラン、そしてウェディングを軸としたホテルマネジメント会社でして、コンサルティングも行っています。伊東さんが所属していらっしゃるアッヴィさんほどではありませんが、当社も創業22年とまだまだ若い会社です。現在国内に10店舗、海外に5店舗の計15店舗を運営していまして、お店一つひとつにこだわりやコンセプトがあるのが特長です。
伊東 ▶どのような個性的な店舗があるのですか。
大浦 ▶例えば京都の東山にある「ザ ソウドウ 東山 京都」は日本画家の竹内栖鳳の旧邸宅につくられたものなんです。その土地の良さを活かすようなホテルやレストランをつくることで、地域の盛り上がりに貢献できるような店舗運営を目指しています。
従業員数は約680人、アルバイトスタッフを入れると1200人ほどになりまして、各地の店舗に所属しそれぞれ仕事をしています。私自身もはじめは京都と神戸でウェディングプランナーを経験しまして、現在は本社のある東京で採用を担当しています。
蓮井 ▶では最後に、東京海上日動システムズについてご紹介させてください。当社は東京海上日動火災保険と東京海上日動あんしん生命のシステム全般をメインに手掛けていまして、社員のほぼ100%がエンジニアという会社になります。
大浦 ▶蓮井さんご自身もエンジニアなのですか。
蓮井 ▶そうですね。私も基本的に昼夜端末の前で作業をしているデスクワーカーです。ですが、社内では「ワークスタイル改革委員会」の委員長を務めていまして、通常の業務とは別に働く環境整備に関する活動も行っています。
芝原 ▶「ワークスタイル改革委員会」、面白いネーミングですね。いつごろから設置されているのですか。
蓮井 ▶委員会自体は2005年に取締役会委員会として発足しまして、私自身は2013年度から委員長を務めています。「社員が活き活きと自律的に働く会社」になることを目的に、日々委員会活動を推進しているんです。
ルネサンス
〈スポーツクラブ運営、フィットネス、ヘルスケア関連〉
スタッフの努力や成果を称えモチベーション向上を
スタッフのホスピタリティなど表彰
ホスピタリティと接客指導スキルを審査するコンテスト「ルネサンスベストスタッフコンテスト」では、クラブ予選、エリア予選、そして営業部予選と勝ち上がった16人の代表による最終審査を行い、グランプリを決定する。
社内版の号外でも紹介
「ルネサンスベストスタッフコンテスト」の表彰までの過程は社内報の号外で紹介。
全国のスタッフにも予選を通過したスタッフの情報を発信している。
結果は積極的に外部へ発信
ランキング結果は自社サイトのトピックスとして紹介。
ルネサンス / ランキング 15位 | |
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エントリー理由 | 2013年にランキングに初参加。従業員感動満足と顧客感動満足の向上を同時に目指すなか、従業員の満足度を定量的に測る指標とするため参加したのが始まり。 |
外部へのPR | ランキング結果をウェブサイトのトピックスに掲載、名刺にはGPTWのロゴを掲載している。 |
DATA (2015年3月31日現在) |
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自社のPRにつながる効果も
――今回は「働きがいのある会社」ランキングにランクインされている会社の方にお集まりいただいていますが、ランキング調査にエントリーした理由を教えてください。
芝原 ▶当社は、従業員の満足度を定量的に確認できればということがエントリーの最大の目的です。どのサービスもそうかと思いますが、スポーツクラブ事業もお客さまありきのサービスです。ですから、私たちも常に「どうすればお客さまに満足していただけるのか」を考えているのですが …