2000万人の外国人観光客誘致を目標とする、訪日観光インバウンド。中国人・韓国人に代わってASEANからの観光客への期待が高まっている。最終回となる今回は、前号に続き広報担当者向けにPRのポイントを解説する。
トライ&エラーで反響を検証
訪日外国人が1300万人に達した2014年。次なる目標とする2000万人を目指し、2020年を見据えてASEAN地域に向けてどのようなPRをしていくと良いのか─前号では以下の2つのポイントを解説しました。
(1)ビザなし渡航またはビザが緩和されるタイ・マレーシア・シンガポール、既にビザ解禁になっている・またはビザが大幅に緩和されているインドネシア・ベトナム・フィリピンの観光客特性を学ぶ
(2)ターゲットを複数決める
成長するASEAN諸国において、どのターゲットに受けが良いかは即時に分かるものではありません。長い目でトライアンドエラーを重ねながら、マーケティングに取り組んでいかねばならないことをお伝えしました。前号に続く今回は、より具体的な手法を共有します。
さて、仮にターゲットを複数国とする場合で考えてみます。今回はイスラム教徒をターゲットとして、国をマレーシア、インドネシアと想定しましょう。マレーシアではマレー系国民、インドネシアではプリブミ(華僑でないローカルピープル)がムスリムとしての訪日ターゲットとなります。把握しておくべき「観光客の特性」としては、以下のとおりです。
● ハラルなどイスラムの規律がある
● 家族単位など比較的、小グループでの旅行になる
● 訪日の興味は「日本文化の体験」「本物の日本食を味わう」「ショッピング」
● 現地での記念写真、「自分撮り」をしてFacebookにアップロードし、マレーシアやインドネシアの家族や友人に自慢をする
以上を踏まえて、5つのポイントのうち残り3点を見ていきましょう。
飛び道具としてのSNS活用
(3)ウェブでランディングページを立ち上げる
インドネシアやマレーシアに限らず、ASEAN市場でのBtoCコミュニケーションはウェブマーケティングという飛び道具が便利かつコストが少なく有効です。また日本同様、最も接触時間が長いメディアは …