2000万人の外国人観光客誘致を目標とする、訪日観光インバウンド。中国人・韓国人に代わってASEANからの観光客への期待が高まっている。前・後編の2回にわたり、企業の広報担当者向けにPRのポイントを解説する。
ASEAN市民は日本に片思い
シンガポール約1500万人、マレーシア約2500万人、タイ約2600万人。これは何の数字でしょうか?これらは各国が年間に迎える外国人観光客数です。日本は2013年にようやく1000万人を超えたばかり。日経流通新聞の「2014年ヒット商品番付」では東の横綱に「インバウンド消費」が入り、2015年は1300万人前後と過去最高を記録しそうです。
しかしここでお伝えしたいことはなぜ日本より人口が半数以下(シンガポール約500万人、マレーシア約3000万人)のASEAN諸国が日本の倍もの外国人観光客を迎えられているかという疑問です。しかも、タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピンすべての国で85%以上の人が「日本へ旅行に行きたい」と答えている(アウンコンサルティング調べ)にもかかわらず、です。それは、日本は遠い・高い・言語障壁がある、そしてあまりに日本の情報が少なすぎるから。つまりASEAN市民は旅行地として日本に恋焦がれているにもかかわらず、高嶺の花になってしまっているのです。
ASEANの1970~90年代はテレビや冷蔵庫、そしてバイク、自動車にいたるまで日本の電化製品に囲まれて過ごし ...
あと75%