新しいアイデアや事業は、社内のコミュニケーションの場から生まれることも少なくない。こうした作用を生み出すスペースを設けている企業のオフィス哲学とは?
デスクで仕事をする社員の膝の上には、愛犬がどっしりと鎮座。「甘えん坊で……、オフィスでもずっとこうなんです(笑)」。パソコンを飛び越え、デスクの上を走る小型犬の姿も。ただし、1日にオフィスに連れてきて良いペットは3匹まで。「きちんと躾のできているペット」が“出社”の条件だ。
エントランスを入ると、ネコがくつろぐガラス張りの部屋に、犬を抱えて打ち合わせする社員の姿。デスクが並ぶ執務エリアでもペットが堂々と闊歩するこちらのオフィスは、「カルカン」や「ぺディグリー」などのペットフード・ブランドで知られる、マース ジャパン リミテッドのオフィス。社員がペットを飼うことやペットへの知識を高め、自分のペットを愛することで、商品やユーザーへの理解も深まるという「Pet Loving Culture」という風土にもとづき、ペットを会社に連れてくることが公に“奨励”されている。
現在のオフィスに移転したのは2005年。物件を決める際の大きなポイントは「ペットを飼えること」で、ビル側との交渉の結果、現在のオフィスに移転した。「ペットのためのより良い世界を創るという理念のもと、アメリカ本社をはじめ、グローバル規模でペットをオフィスに連れてくることができる環境を整えています。物珍しさから、テレビや新聞、雑誌など多くのメディアで紹介していただいています」(広報室長 長谷川一美氏)。
ユニークなのはオフィスだけではなく、 ...