『Ora2』ブランドの若者への知名度向上とアジア進出の切り札として起用されたきゃりーぱみゅぱみゅさん。「Kawaii」文化の火付け役としても人気の彼女の「PR力」とは?
売上は前年比160%に
今や世界中で通じる概念になった「Kawaii」カルチャーの火付け役で、若年層を中心に高い人気を誇るきゃりーぱみゅぱみゅさん。サンスターのオーラルケアブランド「Ora2」では、きゃりーさんをキャラクターに起用したキャンペーンで、アジアの若年層に知名度を高めようと取り組んでいる。「歯磨き=Kawaiiをつくるもの」という概念を訴求し、新たな市場の開拓につなげるのが狙いだ。
キャンペーンは2013年から台湾、タイ、シンガポールでスタート。第2弾となる今年は中国も加えた4カ国で展開。また、今回は初の試みとして、きゃりーさんのワールドツアーがスタートするのにあわせ、台湾で記者会見に臨んだ。
5月29日、現地の報道陣約100人を前に登場したきゃりーさん。まずは、台湾語で自己紹介するさすがのPR力で、現地メディアのハートをがっちりとキャッチした。台湾の若者から「ファッションのカリスマ」として人気が高いきゃりーさんだけあって、会見後も複数のメディアから個別取材の申し込みがあるなど、海外アーティストの会見としては異例の盛り上がりをみせた。
シリーズでの展開も期待
また、キャンペーンでは商品パッケージも連動している。きゃりーさんをイメージした、ポップな配色のオリジナルパッケージを展開し、店頭での注目を集めた。
これにより商品を購入した一般ユーザーの中から、パッケージと一緒に撮った写真をSNSにアップする人も現れるなど、これまでオーラルケアのカテゴリーではあまり見られなかったバズも生んだ。
このほか、オリジナルのゲームアプリも展開し、若年層から幅広い支持を集めた。キャンペーンは5月からスタートしたが、台湾でのOra2の前年同月比の売上は約160%にまで増加。6月はさらなる結果が出るのではと、関係者の期待も高まっている。
本キャンペーンを手掛けるサンスター マーケティングサービス部の河村史さんは「アジアではまだOra2の知名度は高くありませんが、今回は現地のメディアを巻き込んで、Ora2ブランドや、サンスターそのものに可能性を感じてもらえたのは大きいですね。また、アジア圏では、各国ごとにオーラルケアの市場に特徴があり、例えば中国では歯磨きペーストが中心で、液体歯磨きなどはサブカテゴリーとして定着していないという状況にあります。キャンペーンを機に、こうした商品もシリーズとして使ってもらい、市場拡大にもつなげられれば」と、今後のアジア全土でのキャンペーン展開に大きな期待を寄せている。