
昨年7月、中央区日本橋の「明治座」から新装「歌舞伎座」隣接の歌舞伎座タワーに移転。大衆文化を中心とした明治座から、歌舞伎座への移転の背景には、事業であるネットコンテンツを“伝統文化にしたい”という思いも込められている。
東京・銀座に昨年4月に新開業した歌舞伎座に隣接するオフィスビル・歌舞伎座タワーに移転したドワンゴ。それまでのオフィスは日本橋の「明治座」の上にあったが、オフィス環境を整備し、グループ各社を一つの場所に集めて連携強化を図ることを目的に現在の場所に移転した。「“大衆芸能”から“伝統文化”へと題して新しい文化を伝統として長続きさせたいという思いも背景にあります。オフィス移転そのものもひとつのイベントとして位置付け、社外にも積極的にPRしてきました」(総務部 飯野将志氏)。
新オフィスの構想は、社長自ら舵を取り、「各社、各事業部それぞれの社員の働き方に合わせた最適環境」を考えて設計された。執務フロアでは、会社として“今、何に注力しているか”が一目で分かるようにプロジェクトブースを4つ設置。それぞれのブース横にはモニター画面を設置し、活動の状況をリアルタイムに社内に発信することで、それぞれのプロジェクトの動きを把握しやすい環境をつくっている。また、打ち合わせしやすいようにホワイトボードを使った壁を多用したり、仕切りをなるべく設けずオープンな環境にするなど、設備面からもコミュニケーションを促すつくりだ。
日々パソコンと向き合うエンジニア職の社員を中心に設けられた“社内制度”もユニーク。生活が不規則になりがちな社員のために、毎朝ジャージー姿の“女子マネ”がラジオ体操を実施し、参加した社員はお弁当をもらえる「女子マネ弁当制度」のほか、今年の春には新たな社員向けの施策を検討しているとのこと。業務内容に応じて自由なスタイルで勤務している社員も多い職場だからこそ、より働いている時間をクリエイティブに過ごして欲しいという狙いで施策を企画している。「クリーンでカラフルな印象からか、社外の方から“(会社が)元気になったね”とよく言われます。ここからいろんなアイデアが生まれ、楽しいコンテンツをたくさん届けていきたい」。