新しいアイデアや事業は、社内のコミュニケーションの場から生まれることも少なくない。こうした作用を生み出すスペースを設けている企業のオフィス哲学とは?
ガラスの凹凸が特徴的なインパクト大の外観。外から見るとまるで自社ビルのように見えるが、社名のある看板とビル上にあるロゴは広告。世界的に有名なゲームを手掛ける会社であることから、外国人観光客が外観写真を撮っている光景も珍しくない。
不規則な凹凸のあるガラス壁と、ベージュ色のブロックが組み合わさった巨大な外観。『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』など日本を代表するゲームを有するほか、スマートフォン向けのコンテンツや出版事業まで広く手掛けるスクウェア・エニックスのオフィスビルだ。地上20階・地下2階建てのオフィスビルの中で、合計5フロアを有する。1フロアの面積はサッカーグラウンドとほぼ同じ面積(約1800坪)と、都内でもトップレベルの面積を誇る。
現在のオフィスに移転したのは2012年。新オフィスは、とにかく「コミュニケーションの活性化」を重視してつくられた。その象徴とも言えるのが、最上階に位置するラウンジと呼ばれる食堂。都心の景色が一望でき、約230席を有する広々とした空間の中で部署の垣根を超えたコミュニケーションが生まれる。仕事場としても使えるようにコンセントを多数設けているのも特徴だ。季節イベントを実施したり、100人を超えるチームの打ち上げや会議の場としても機能したりと、「コミュニケーションをとれる場がぐんと増えました」(広報室長 弓削和美氏)。