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トップ広報と演出法

元日経ビジネス編集長に聞く――あなたは「社長、会見に出るべきです」が言えますか?

山川龍雄(「日経プラス10」キャスター/『日経ビジネス』編集委員)

トップを立てた発信の中で、企業と社会との橋渡し役である広報担当者はどう動くべきか。「社長の発信力ランキング」で注目を集めた『日経ビジネス』編集長を経て、現在BSジャパンで報道キャスターを務める山川龍雄氏に、トップ広報に必要な姿勢について聞いた。

「企業の“ヨイショ”にならないように、報じ方のバランスを特に気を付けた」と話す「社長の発信力ランキング」。電通のトップパブリシティコンサルティング局と組み、徹底的に報道分析を行った。

広報を見ればトップが分かる

2012年に初めて特集が組まれ、多くの注目を集めた『日経ビジネス』の「社長の発信力ランキング」。過去1年間の中で主要マスコミに記事が多く出た経営トップを割り出し、記事とブログを読み込んで、徹底的に分析・評価した同特集は、その反響から2年連続継続して実施。山川氏は編集長として同特集を手掛けた。

これまで数多くの企業取材を経てきた経験から、「広報担当者がトップに本音を言えない空気が漂っているのは危険な兆候」と話す山川氏。「社長が広報に理解があるかどうかは、その企業の広報を見れば分かるという面も。広報は社会との橋渡し役としての大切な役目があり、会社に染まりすぎず、外の風を敏感にキャッチして取り込むことが必要。何かが起こった時にきちんと社長に正論を言える関係性かどうかは取材している立場からは見てとれるもの。きちんと進言できる広報を置いている企業は、往々にして社長が広報に対してある程度理解がある。対して、委縮しきって社長の言いなりにばかりなっている広報がいる場合は、おそらく社長の意向で“言うことを聞く”広報を選んで置いているということ。企業としての体質が透けて見える部分でもあります」。

企業トップに取材する機会も多い中で、魅力的だと思うのは「自分の言葉で話せる人」。記者会見や発表会などでトップが話す言葉も、どれが“受け売りの言葉”で、どれが“自分自身の言葉”なのかは見てとれる。「やはり事前に用意された台本通りに話されると、その人ならではの個性や味わいのある言葉が薄まって面白くない。対して自分の言葉で話せる人は、説得力も存在感もあると感じます」。

それは取材の際も同様 ...

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