新しいアイデアや事業は、社内のコミュニケーションの場から生まれることも少なくない。こうした作用を生み出すスペースを設けている企業のオフィス哲学とは?
エントランス横に広がる、珍アイテムが並ぶギャラリー。対象住宅を購入すると付与されるポイント高に応じてプレゼントされる「BESSガジェット」と呼ばれる約80のアイテムは、「一般に手に入りにくいもの」がキーワード。半年に一度ラインアップを見直しており、市場に出回るとアイテムから外す。現在、レギュラーアイテムの中でもっともポイントが高いのは恐竜。
歩道に面する、ドーム型のオブジェがひときわ目を惹く外観。エントランスを一歩入ると、高さ2メートル超の恐竜・動物フィギュアやモアイ像、アフリカの壺やエスニック風の家具などが所狭しと並ぶギャラリーが。
これは、ログハウスやドームハウスを展開する「BESS(べス)」ブランドで知られる住宅メーカー・アールシーコアのオフィス。営業の拠点である住宅展示場が位置する東京・代官山にほど近い、渋谷の閑静なエリアに今年3月、オフィスを移転したばかりだ。「ブランドビジネスとしての発信強化と、販社サポート強化が移転の狙い。全国に41カ所存在する展示場で働く、180人近い営業スタッフが入れる研修ルームも社内設備として必要でした」(BESS事業本部 広宣販促参事 吉田忠利氏)。
「遊びは無駄から」「便利さは程々がいい」などのキャッチフレーズで、個性あふれる住宅を展開するBESSブランドが、家づくりにおいてもっとも「NG」とするのが「家の中に緊張感を持ち込むこと」。仕様や材料、間取りにいたるまで、おおらかで楽しい生活を送ることができる家づくりをモットーとしている。オフィスづくりに対する考えも同様で、「ブランドの精神を体現するオフィスとして、遊び心のある空間を目指しました」。
その象徴となるのが、エントランス横に位置するギャラリー。対象の住宅を購入すると、金額に応じてポイントが付与され、ポイント高によって約80のアイテムの中から好きなものを選んで ...