業種や規模、事業の性格によって広報の仕事はそれぞれ異なるが、隣の広報が考えていることは気になるもの。このたび、さまざまな企業や団体から、とっておきの「マイルール」を持ち寄っていただいた。この中から自社に導入できる新ルールを見つけていただきたい。
スキルアップ編
楽しみながらスキルを高める。
広報は日々勉強。普段の仕事の合間のちょっとした時間にも、知識を付けたり気づきを得たり、互いにモチベーションを高めたりすることはできる。
亀田製菓の広報は、カレンダー上に取材の露出(放送・掲載)日を記載するようにし、365日露出で埋めることを目標にしている。1週間(7日間)すべてが埋まると「ビンゴ」となり、7日目を決めた担当者には食事券(社食専用)がプレゼントされる。
ブライダル会社のノバレーゼは、広報部門の飲み会の際、自社の情報をどれだけ知っているかを競うゲームがブーム。かつてのテレビ番組から「カルトQ」と呼ばれている。「日々持ちネタを追加しようとする習慣が付き、楽しみながら業務にも役立っている」という。このほか、「小さなことでも互いにほめ合う。『キャッチの天才』『トリミングの達人』などと呼び合うことで、互いにモチベーションを上げる効果がある」。
リスク管理編

天災や事故発生時にあわてないためには、事前準備がポイントに。
企業が何らかのリスクにさらされたとき、広報は真っ先に対応しなければならない立場。それだけに、「休みの日でも携帯が気になって仕方がない」という人は多い。
その一つが、自社について報道された内容が事実と異なることであったり、見解の相違が見られるケース。場合によっては適時開示などの対応を迫られることもある。そこまでの内容でなくても「記事内容の訂正はその日中、迅速に行う」(IT)というのは基本と言えるだろう。
その一方で、「新聞記事について抗議する場合、執筆した記者への電話は朝10時まで待つ」(流通)というマイルールも。仮に他社にスクープを抜かれた場合など、その後追い取材などの事後処理が落ち着くのが10時頃だからだそう。相手への配慮であるとともに、「落ち着いているタイミングの方がこちらの言い分もしっかり聞いてもらえる」というのが理由だ。なお、「業績が良くても悪くても欠かさず情報開示」(保険)というスタンスは、リスク管理の基本姿勢と言える。
天災や事故も踏まえるべきリスクのひとつ。「大雨被害や震災被害などの際に、どのタイミングでどうお知らせを出すかを事前に考えておく」(保険)、「報道担当はできるだけ社内に1人はいるようにする。長期休暇も役職者は誰かが出社しているようにする」(鉄道)など、常にリスクを想定しておくことが、不測の事態への備えの第一歩だ。