業種や規模、事業の性格によって広報の仕事はそれぞれ異なるが、隣の広報が考えていることは気になるもの。このたび、さまざまな企業や団体から、とっておきの「マイルール」を持ち寄っていただいた。この中から自社に導入できる新ルールを見つけていただきたい。
アイテム・ツール編

記者や編集者の必携ツールである「記者ハンドブック」は広報にとっても便利。赤ペンは書いて消せるパイロットの「フリクション」が人気だ。
広報パーソンが使いこなすツールも多種多様だ。基本的なものは、クリッピングに使う「定規、赤鉛筆、カッター」の3点セットや現場に立ち会う際の「広報腕章」、自社の「会社概要」、プレスリリース執筆の際に使う「記者ハンドブック」(共同通信社発行)といったところ。もちろんカメラや携帯電話も欠かせない。複数から挙がったのが、パイロットの「フリクション」シリーズの赤ペン。書いた文字を消すことができるのがこのペンの画期的なところ。広報の愛用者は今後ますます増えそうだ。
そのほか、「プレスリリースはファイリングしてデスクに」「過去の雑誌露出をすぐ確認できるよう、過去3年間の雑誌は本棚に、それ以前はスキャンして管理」(アパレル)と、「超・整理術」を実践している広報パーソンも。社内でチャットのようなコミュニケーションができるツールを導入している会社や、フェイスブックを有効活用しているとの声も多数。
部署間での情報共有と計画的な情報発信を目的とした実践的なツールを構築している企業も。「『情報発信管理ツール』と呼んでいる一覧表があり、日々アップデートしながら広報業務の全体運営に活用している。新商品の発売や広告プロモーションなど、プレスリリースの対象となる情報のみならず、地方の事業所移転や商品パッケージのちょっとした改版、その他細かな情報など、プレスリリースの可否検討のためにも情報収集とメンテナンスを習慣にしている」(製薬)。

美脚ジーンズ訴求のためにヒールの高いパンプスを装備(リーバイス・左)するかと思えば、線路上や工事現場などを歩くためのフラットシューズが欠かせない(東急電鉄・右)と、企業によって事情はさまざま。
やや変わり種として「美脚を訴求するデニムなどを急にはく必要があるときに備え、ヒールの高いパンプスをデスク足元に装備」というのは、ジーンズのリーバイ・ストラウスジャパン広報の矢向真帆さん。広報自らモデルになることも少なくないのだという。その一方で、かかとのない「フラットシューズ」を挙げるのは東京急行電鉄広報部の長谷めぐみこさん。理由は「足元の悪い現場に行くときに履くため」。所変わればツールも変わるのが面白いところだ。
「便利」ツールではないが、ちょっとした癒しにもなるのが観葉植物。精米機器製造のサタケ広報室では窓際の植物が増え続け、朝の水やりが日課になっているとか。同社は広報室員が出演したテレビ番組のシーンや女子アナと一緒に収まっている写真を掲示するなど、部署内でモチベーションを高める工夫が随所に散りばめられている。

広島県東広島市のサタケ広報室では観葉植物が増加中。他部署の社員が分けてくれたのをきっかけに、広報室のメンバーも持ってくるなど徐々に追加され、朝の水やりが広報の日課に。