(写真=123RF)
1900年に設立されたアメリカ哲学会は、北米が哲学の中心地となった一世紀を経た現在、世界でもっとも影響力を持つ哲学会である。同学会では二年に一度、その間に出版された優れた哲学書に対して賞を出している(1)。2019年に選ばれたのは、ケイト・マン『ひれふせ、女たち ミソジニーの論理』(2)だった。
1 https://www.apaonline.org/page/2019Prizes-F#book
2 Kate Manne, Down Girl: The Logic of Misogyny, Oxford University Press, 2018
( ケイト・マン著、小川芳範訳『ひれふせ、女たち ミソジニーの論理』、慶應義塾大学出版会、2019年)
邦訳も刊行された同書は、タイトルのとおり「ミソジニー」(日本では「女性嫌悪」と訳されることが多い)を扱った著作だ …
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