概念とは、いわば道具である(写真=123RF)
2019年、「哲学のしごと」として注目されたのが「概念工学(Conceptual Engineering)」だった(1)。工学は「モノ」をつくったり操作したり改良するための方法論と技術を提供する学問である。同じように、哲学は「概念」についてのエンジニアリングに携わる学問だというのである。
1 戸田山和久・唐沢さおり編著(2019)『<概念工学>宣言!』、名古屋大学出版会が代表例である。
概念工学というアイデアは、今世紀に入って英語圏の哲学界でも盛んに論じられてきた …
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