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THROUGH BOUNDARIES

薬を飲むか飲まないかは誰が決めるのか

宇野 全智(禅僧/曹洞宗総合研究センター研究員)

ほとんど無限の組み合わせが可能なスパイス。折々でどう作用するのかを重視して調合される

(写真=123RF)

広告とはいろいろなメッセージがあるもので、「風邪でも休めないあなたへ」という広告の近くに、「休日はどこそこでゆったり」とあったりします。話者や聞き手が異なるのだから当然かもしれません。

では、お釈迦さま本人が言われたことがほぼ確定できる初期の仏典、つまり同じ人物が、弟子たちに語ったことならどうかというと、実はチグハグなことがあります。

ある場面ではリアルな地獄を描写し、悪行を戒めたかと思えば、「死後の世界なんて誰も行ったことがないのだから、あるかないかも分からないよ」と書かれている。

「本当はどっち?」と私は相当混乱したのですが、ある段階で「応病与薬」という考え方を知り、ようやく納得できました。

仏教では、人々を導く教えは薬に喩えられます。師匠は医者、弟子は患者です。そして弟子の状況に応じて、師はたくさんの薬箱からそのとき、その症状に最も適切な薬を選んで弟子に与えるのです。ですから病気(修行が滞る原因)の種類によっては真逆の薬を施すこともありえます …

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