通りすがりの人の入店を促す店舗にとってのPOP、店頭ボード。編集部が見つけた「ちょっと気になる」店頭ボードを、店頭販促の専門家、中村心氏が解説する。
店頭ボードの知られざる効果って?
店頭ボードとは、店舗の外に置く販促ツールの総称。なかでも今回ご紹介した手書きのブラックボード(黒板)が代表的です。店頭ボードの特徴は、ターゲットが店舗の外を歩いている人という点です。
たとえば、ソーシャルメディア広告やダイレクトメール、チラシの場合、それぞれの販促物を見てから店舗に行くまでに、少なからずの移動が生じます。しかし店頭ボードの場合、対象者はいま、まさに店舗の近くにいる状態。移動という手間はほとんど意識されません。そのため、優れた店頭ボードを置いて、「ちょっと入ってみようかな?」と思ってもらえたら、来店や売り上げにダイレクトに結びつくのです。
また「日経レストラン」の「お客様はどうやってお店を選んでいるか?」という調査によると約4割の人がお店を選ぶ際の決め手として「偶然、通りがかりで決めた」と答えたという、興味深いデータがあります。その「偶然の通りがかり」には複合的な要因が考えられますが、その店への興味、関心を生んだ大きな理由の一つは店頭ボードだと推測します。
店舗前に置かれた店頭ボードが、通りがかりの方と店舗との接点となり、予期せぬ来店を促すのです。逆に言えば、店頭ボードがないお店は、多くの見込み客を取りこぼしている可能性もあります。
今回ご紹介した手書きの店頭ボードは、ボード本体とマーカーを買えば、すぐに始められます。店頭ボードは文字や絵が上手な人が書くものだと思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。たとえ文字や絵が得意ではなくても、それがかえって「味」になるもの。ぜひ、手軽に高い集客効果が見込める店頭ボードにチャレンジしてみてください。
Point お店のウリがよくわかるキャッチフレーズ
写真づかいが巧みで食欲がそそられる
写真は、店頭ボードの効果を引き上げてくれるアイテムです。スペースにかぎりのあるボードにとって、膨大な情報を瞬時に伝えられる写真は強力な助っ人。とはいえ、ただ貼ればいいわけでありません。写真を貼る際のルールは2つ。1つめは「高画質」。印刷の粗い写真は、むしろ商品価値を下げてしまいます。カラープリントではなく写真プリントがおすすめです。2つめは「ビッグサイズ」。一般的なL判サイズでは目立たないので、六つ切りサイズ以上が望ましいです。
Point とってもかわいいイラストで目立っています
文字数が多くても、読みやすい秘密とは?
多くの情報を書くと、ゴチャゴチャして見づらくなるのが一般的。しかしこのボードは読みづらさを感じさせません。なぜなら、読みやすい文字で丁寧に書かれていることに加え、書き方のルールを定めているから。よく見ると、強調したい文字はオレンジで書いて白くフチ取り、コース名は色ペンで四角く囲うといったぐあいに、色の使い方や文字の大きさ、書き方に一定のルールがあることに気づきます。文字量が多い時は、こういったひと工夫を …