棚を見るともなく見ている来店者の注意を引くのに、「音声」は強力なメディアだ。かつてスーパーの売り場でも、高らかに客を呼ぶ声が響いていた。いつしか店内放送に代わり、あるいはまったく声のしない店もある。そうした中で、ここ20年でじわじわと浸透している音声販促機器がある。群馬電気の「呼び込み君」だ。
BGMやアナウンスを流す「呼び込み君」
「ポポ~ポ♪ポポポ♪ポポ~ポ♪ポポポ♪ポポポポポ~♪」と、文字に起こすのでは伝わらないかもしれない。が、音を聞けば、「あれのことか」と思い至る向きは少なくないはずだ。軽快なBGMに乗せて、店員が吹き込んだ、セール品を訴求する音声が響く。
この音の主は、群馬電気(群馬県みどり市)が2000年に発売した音声販促機器だ。その名も「呼び込み君」。ことし10月12日までに約4万台を出荷した。主に導入しているのは量販店だ。ある量販店は「食品や電化製品など、さまざまな売り場でBGMやアナウンスを流すことで販促効果を高めている」と話す。
ここ3年で需要急増 出荷台数は10~15%増に
「発売以降、出荷台数の前年比は微増が続いていたが、ここ3年くらいは10~15%で成長している。ことしは生産が追い付かなくなり、急遽中国工場で生産したものを空輸で仕入れることで対応したほど」と、群馬電気東京営業所の佐藤秀之チーフマネージャーは話す …
あと66%